終電の電車内でいきなり楽器演奏が始まった。許可を取っていない場合は極めて悪質な迷惑行為だが、それがプロの演奏家たちで素晴らしい音色だとしたら、どうなのか。
きっかけは京浜東北線の電車内で、プロのトロンボーン奏者と思われる外国人たちの演奏動画がツイッターにアップされたことだ。「まるで映画のよう」「そこにいた乗客が羨ましい」――そんな声が多数出ることになった。
「まさか日本でも...」
今回の騒動のきっかけは、電車内で数人の外国人がトロンボーンを演奏する動画が2017年11月6日にアップされたことだ。外国人たちは車両の端にあるシートに座り、穏やかな曲を演奏していた。ホームのアナウンスは、京浜東北線の蒲田行の最終列車であることを告げていた。ツイッター主は、帰るのが終電になってしまい、気分が滅入っていたけれど、「何かちょっと幸せになれた」、とし、「まぁでも、賛否両論あるんだろうなー笑」などと感想を述べた。そして、この外国人たちは「トロンボーン・ユニット・ハノーファー」という、ドイツのトップ・オーケストラに所属する9人の若手トロンボーン奏者で構成されたユニットだった、それを後に知った、と説明した。すると、
「あの京浜東北が映画のよう。。素敵」
「まさか本気でやってる人がいたとは驚き。いいぞもっとやれ」
「こんなアメリカの地下鉄みたいな素敵なハプニング、遭遇したい」
などと、その時に電車に乗り合わせた人たちが羨ましいとのリプライが寄せられた。
ただし、許可を取っていないとすれば極めて悪質な迷惑行為でもある。J-CASTニュースが9日にJR東日本に話を聞いてみたところ、
「社内での演奏は迷惑行為にあたるため、やってはいけないし、もし乗務員がそれを発見し他のお客様にご迷惑になっていることを確認した場合は、お声掛けしお辞め頂くことになります」
と広報は説明した。
このツイッターには6日、ドイツ在住のトロンボーン奏者で、北西ドイツフィルの団員に所属する吉田なを美さんが、
「友達がすみません。まさか日本でもこんな事やるとは。。。」
と謝罪にやってきた。ツイッター主が、
「僕は全然迷惑ではなかったのですが、賛否両論あるみたいですね」
と返すと吉田さんは、「迷惑な人には迷惑ですし」とし、ドイツに居れば電車内で演奏する人をたまには見るけれど、こちらでも海外でもこうしたことは普通のことではない。「トロンボーン・ユニット・ハノーファー」の彼らと飲みに行くと誰かが楽器を出すので、今回の電車内での演奏はどういう流れで始まったのかは想像がつくとした。