月経前の症状の重さは生まれつきの体質?
話を月経前症状に戻すと、研究チームは和歌山市内の女子学生403人の指比を調べ、月経前症状の重さに関するアンケートを行なった。「体重が増える」「眠れなくなる」「泣きたくなる」「集中力が失われる」など多くの項目で症状を4段階に分けて尋ねた。その結果、右手の薬指が人さし指に比べ長い人ほど、様々な症状が重くなる傾向がみられた。つまり、「出生前に男性ホルモンを多く浴びると月経前症状が重くなる」という生まれつきの可能性が示された。
その一方で、眠気や能率の低下などの「行動の変化」や、体重増加や肌荒れなどの「水分貯留」の面では指比と関係がなかった。まだ、月経前症状の原因は多岐にわたるようだ。
研究チームの金樋吉起教授らは発表資料の中でこうコメントしている。
「指の長さを測るという非常に簡単な方法で、多くの女性を悩ます月経前症状の原因を探る手がかりを、世界で初めてつかみました。胎生期の性ホルモンに関する遺伝子の中で、月経に伴う体質に関係するものを突きとめれば、有効な治療や緩和ケアにつながる可能性が見えてきます」