タワーレコード(タワレコ)が実施した「ラブライブ!サンシャイン!!」の抽選キャンペーンをめぐって、「不正があったのではないか」との疑惑がネット上で広まっている。参加者の一部から、応募券の番号に「不自然な『抜け』がある」との指摘が出たためだ。
J-CASTニュース編集部の取材に対し、タワーレコード広報室の担当者は「不正はございません」と疑惑を全否定。しかし、応募券の配布方法に不手際があったことは事実だとして、「皆様の誤解を招いてしまう結果となり、大変申し訳なく思っております」と謝罪した。
「当たり券を抜いているのでは」
不正疑惑が浮上したのは、「ラブライブ!サンシャイン!!」テレビアニメ2期主題歌「未来の僕らは知ってるよ」のCD発売記念キャンペーン。タワレコ渋谷店でこのCDを購入すると、アニメの関連賞品が当たる抽選に参加できる企画だ。
応募期間は2017年10月25日のCD発売日から11月1日まで。購入者は、アニメ声優が出演するイベントの参加券が当たるA賞と、声優の直筆サイン入りポスターが当たるB賞のどちらかを選んで応募することができた。
だが、11月5日に抽選結果が発表されると、ツイッター上では当選券をめぐる「不正疑惑」が浮上することになった。一度に複数枚のCDを購入して、A賞の抽選に参加したユーザーの一部から、
「連続した番号の応募券を貰ったはずなのに、途中で抜けている番号があり、その抜けていた番号が当選番号だった」
といった趣旨の書き込みが相次いだ。なかには、店側が事前に「当たり券を抜いているのではないか」と疑うユーザーも出ていた。
実際、10枚分のCDを買って応募したという男子高校生(16)は11月8日、J-CASTニュースの取材に応じ、
「10枚の応募券のうち、6枚が連番のようになっていました。具体的には、1477、1478、1480、1481、1483、1484です。しかし、この並びの中でちょうど抜けている1479、1482だけが、当選していたんです」
と訴える。結局、この男子高校生が買った応募券の中には「当たり」はなかったという。
タワレコ「不正はございません」
はたして、今回の不正疑惑の真偽は――。タワーレコード広報室の担当者は8日のJ-CASTニュース編集部の取材に、「不正はございません」と断言。その上で、今回の抽選システムについて次のように説明した。
まず、CD購入者への配布時には、どの応募券が当たりかは決まっていなかった。当たり券は、応募期間の終了後に、複数のタワレコ渋谷店スタッフが、抽選箱に集まった応募券をランダムに抜き取る形で選んだという。そのため担当者は、
「スタッフによる不正防止のため、必ず複数人が立ち会った状況で厳正に抽選を行うように徹底していました。今回は、お客様からの指摘を受け、抽選キャンペーンにおける各段階に関わった全担当者にヒアリングを行い、その調査結果などから『不正はなかった』と判断いたしました」
と説明した。
ただ一方で、担当者は「そもそも今回の応募券配布は、連番ではなくランダムという形で行う予定でした」とも話す。だが、紙に印刷した応募券を裁断・シャッフルする行程で不手際があり、配布した応募券のうち一部だけを連番で渡す形になってしまったという。
そのため担当者は、「こちらの不手際により、皆様の誤解を招いてしまう結果となり、大変申し訳なく思っております」と謝罪。今後は「より透明性のある抽選システムの実現に向けて努力し、皆様に安心して参加して頂けるよう取り組みたい」としていた。
「会社として恥ずかしい限り」
なお、タワレコでは17年3月にも、韓国アイドルグループ「B1A4」のCD購入特典の抽選をめぐって「不正疑惑」が持ち上がっていた。このときもタワレコ側は、配布する応募券のシャッフルに不手際があったため、疑惑を招いてしまったなどと説明していた。
そのため担当者は、2回目となる今回の抽選トラブルについて、
「同じようなミスを繰り返してしまったことは、会社として恥ずかしい限りです」
とも話していた。
だが一方で、こうしたタワレコ側の説明について、J-CASTニュースの取材に応じた先述の男子高校生は「納得できません」とキッパリ。「同じような不正疑惑が2回も続いていますし、どうしても不信感はぬぐいきれません」と漏らしていた。