元NHKアナウンサーで現在フリーの住吉美紀さんが、「電車内で足を組んで座っていたら、目の前に立った乗客に激怒された」とのエピソードをテレビ番組で明かした。
番組では「電車で足組み」の是非をめぐって議論に。個人の自由なのか、配慮に欠けた振る舞いなのか。J-CASTニュース編集部がマナーの専門家に見解を聞いた。
「何も言わずにカーンって足を蹴ってきた」
住吉さんは2017年11月7日放送の「躍る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)にゲスト出演し、トラブルの顛末を明かした。
「電車に乗って、ある時に足組んでたんですよ。別にこんなん(手を組んでのけ反るポーズ)じゃないですよ。可愛く(肩をすくめるポーズ)組んでたんですよ。それで、ある駅で乗ってきた女性が私の目の前に立って、その瞬間何も言わずにカーンって足を蹴ってきたんですよ。ここ(住吉さんが組んでいた上側の足のつま先)を蹴って、ポーンって(足を崩された)」
状況が飲み込めなかった住吉さん。「『はあ?』ってキョトンと見上げたら、『電車で足組まないですよね』と言ってきたんです」。これに他のゲスト陣は「ええ?!」と驚いた。
住吉さんは「でも蹴らないですよね」と女性に言ったが、再度「でも足組まないですよね」と注意された。もう一度「でも蹴らないですよね? 言ってくだされば良かったですのに」と、水掛け論に。しかし最後は互いに謝ったそうだ。なお、その女性のルックスについて住吉さんは「杉田かおるさんみたいな感じの、キレイめ系の人」と話していた。
ゲストのアンミカさんは電車内の足組みについて「男性が足広げて座るのよりは、小っちゃくやったら別に」との意見。一方、明石家さんまさんは「蹴るってことはあれやで。住吉さんが思ってるより前に足が出てたんやて」と怒った女性に理解を示した。
「確かに超邪魔」「足組んで悪いの?」
インターネット掲示板では「確かに超邪魔」「足組んで悪いの?」と賛否両論。「空いてる時は足組むことあるけど、混んでる時はしないね」「足は組むけど、人が近づけば引っ込める」と状況によるという意見もある。
電車内で足を組んで座るのはマナー違反なのか。J-CASTニュースが8日、NPO法人・日本サービスマナー協会福岡支部のマナー講師、木下亜沙希(きのした・あさき)さんに見解を取材すると、「電車内はパブリック・スペース、公共の場ですので、周囲の邪魔にならなければ構わないと考えます」と話す。
「ビジネスの打合せのような場ですと、足を組んで座るのはマナーとして問題があります。一方で、電車内のような公共の場では、足を組まないよう一律に強制するのは相応しくないでしょう。見ていて不快という方もいれば、何とも思わない、自分もやるという方もいるでしょう。ただ、車内が混んでいるなど他の方に足がぶつかりやすい状況では、迷惑にならないよう配慮が必要です」
誰もが利用する「パブリック」な場と、特定の人だけが利用する「プライベート」な場とでは、マナーの考え方が変わり得るという。また、一般的には「足や腕を組むような、体の一部をクロスさせる姿勢は相手に不快な印象を与えやすいです」とも話していた。