韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2017年11月7日夜に米国のトランプ大統領夫妻を招いて開いた晩餐会は、日本を強く意識したものになった。元慰安婦の女性が招かれてトランプ氏と抱擁したほか、料理には島根県の竹島周辺で取れた「独島エビ」が登場。
日本側からは不快感を示す声があがったが、韓国側では、今回の事態で結果的に「独島」の露出が増えたと指摘する声も出ている。
菅長官は不快感
晩餐会のメニューは巨済(コジェ)島の焼きカレイ、マツタケ釜飯、韓国牛のカルビなどが並んだが、とりわけ異彩を放ったのが「独島エビ」のあえものだ。メニューは事前に青瓦台(大統領府)が発表し、朝鮮日報は、メニューの狙いについて、
「日本が虚偽であると主張する独島領有権について、我々が守る意志を米国側にアピールする狙いもあるとみられる」
と報じていた。
日本側からは反発が相次いだ。菅義偉官房長官は同日夕方の会見で、
「外国が他国の要人をどのように接遇するかについて政府としてはコメントは差し控えますが、しかし、どうかとは思います。その上で申し上げれば、北朝鮮問題への対応に関し、日米韓の連携強化が求められ、トランプ大統領が日本と韓国を最初の訪問先に選んでいる中に、日米韓の緊密な連携に悪影響を及ぼすような動きは避ける必要がある」
と、不快感を表明。日本の多くのメディアも「独島エビ」の名前を使いながら、メニューの内容を紹介した。産経新聞は11月8日朝刊(東京本社最終版)で、
「反日晩餐会 メニューに『独島エビ』」
の見出しで韓国側の対応を非難した。