年内にはすべての調査が完了か
調査結果は3段階に別れる。A=納入先が安全性を確認したもの、B=納入先が「当面の問題はない」と判断したが、さらなる検証を進めるもの、C=神戸製鋼が技術的見解から高い確度をもって安全性が確認できると判断し、納入先に連絡したもの――の三つに区分される。納入先525社のうち、Aが最も多い229社で、Bが91社、Cが117社だった。残るのは海外を含む88社という。この調子で行けば、恐らく年内にはすべての調査が完了し、「安全宣言」が可能となる。
一連の神戸製鋼の不正とは、突き詰めれば、最終製品の自動車や航空機などの利用者が重大な危険にさらされるか否かで、大きく問題意識が分かれることになる。エアバッグのタカタと神戸製鋼が異なるのは、神戸製鋼の不正では、けが人や死者などが一人も出ていないことだ。ここは冷静に判断する必要がある。残る2割の製品の安全性さえ確認されれば、センセーショナルな連日のマスコミ報道もしだいに沈静化していきそうだ。