本来は防御反応を高めるのに必要だが...
結果を見ると体調を悪化させているようにも見えるが、オメガ3脂肪酸が悪役という単純な話でもない。マスト細胞が活性化するのは、寄生虫や毒素といった体内に侵入した有害な異物を排除するための防御反応だ。くしゃみや鼻水なども本来はこうした目的のために発生するもので、無意味なものではない。
研究チームも
「この視点からすると、エポキシ化オメガ3脂肪酸は生体防御応答を高めている(良いことをしている)と解釈できます」
と指摘する。ところが現在は寄生虫や毒素が減少し、異物に対する防御反応が過剰になりアレルギー反応として表れてしまう人が増加している。こうなると本来は良い効果だったマスト細胞の活性化促進作用が厄介な作用になってしまうのだ。
研究チームは、今後PAF-AH2を阻害しエポキシ化オメガ3脂肪酸を作らせないようにすることでアレルギー反応を抑制する、まったく新しい抗アレルギー薬の開発が期待できるとコメントしている。