「おそ松さん」のように「リメークするのも良い」
常見氏は「娘には見せない」の真意も「教育上よくないと思うからです。自立した女性像が描かれていない」としていた。労働社会学が専門の常見氏。「女性が働くのは『働かざるをえない』という側面をもつ場合もあります」といい、作中で現代に即した女性像を描くとすれば設定を見直す必要があるとの考えだ。
「サザエさん」の原作漫画は1946年、アニメは1969年に開始。戦後から高度経済成長期の昭和日本を舞台に描く「家族の日常」は、現代のそれとは隔たりがあるとしている。1960年代の漫画「おそ松くん」の主要キャラを大人にして2010年代にリメークしたアニメ「おそ松さん」を引き合いに、常見氏は「続けるとすれば『サザエさん』をリメークするのも良いと思います」と提案した。
こうした「打ち切り」を主張するのは常見氏だけではない。病児保育を手がける認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表理事はツイッターで1日、東芝の降板報道の記事リンクを貼りながら「これを機にサザエさんは終了した方が良い」と投稿。「昭和の家族像を押し付け、サザエさんがパートに出たかと思えば『子どもが寂しがってる』という理由で辞めるような、ステレオタイプな育児観を撒き散らす。サザエさんの放映はもはや、百害あって一利なし」と斬って捨てた。
駒崎氏の投稿には、長島昭久衆院議員が同日に反応。「終わらせるのはもったいない気もするので、ひとり親家庭と共働き家庭を足すと全世帯の7割に達する現代の家族の実態に合わせて再構成し、今日的な社会課題の解決に真剣かつ明るく取り組む地域コミュニティの物語に仕立て直したら如何でしょうか?」と、「リメーク案」を提示していた。