食事デートだけでお小遣いをくれる、父親とは別の「パパ」が5人いて、月に計50万円以上もらっている――
NHK番組が、「パパ活」でお小遣いを稼ぐ若い女性らに焦点をあて、その実態に迫った。中には幼い子供がいる専業主婦の「パパ活」話も登場。その具体的行動や危険性を明らかにした。
「パパ」が5人いる
番組は「ねほりんぱほりん」(Eテレ)。司会の2人(タレントのYOUさんと、お笑い芸人の山里亮太さん)が、「顔出しNG」のゲストに、「ねほりはほり」話を聞くやりとりを人形劇のスタイルで紹介する「新感覚トークショー」。画面上では、司会者はモグラ、証言者らはブタの人形で登場する。
2017年11月1日の放送では、「パパ活女子」を取り上げた。番組説明によると、パパ活とは「若い女性が年上男性、いわばもう1人の『パパ』とデートをする事でお小遣いをもらう」活動。「援助交際と違い、基本的には肉体関係はなし」としている。
司会の2モグラの質問に答えるのは、20代半ばで「パパ活2年半」、金融関係の営業をしているというマナミさん(仮名)。YOUさんモグラによれば、(画面ではブタの人形だが)実際に話しているマナミさんは「幼稚園の先生みたい」な雰囲気。マナミさんは質問に答えながら、活動の実態を語った。
マナミさんには、1回ごとにお金をくれる「都度パパ」が3人、月間の金額が決まっている「月極めパパ」が2人いる。都度パパからもらう金額は、1回につきAさん1万5000円、Bさん2万円、Cさん3万円。月極めパパの方は、「週3食事」のDさんは月30万円、「週1回食事」のEさんは16万円。5人からの月のお小遣い合計は「50万円超え、ぐらい」。
専業主婦も
カラオケなど個室に入るのは避けたり、手をつながれないよう相手がいる方の手でバッグを持ったりして「一線を超える」ことがないよう努力しているそうだ。マナミさんは
「(肉体関係がある)援助交際とは違う、とプライドがある」
と説明した。しかし、他の女性の中には「体(肉体関係)ありのパパ活」という言い方をする人もいるそうで、その線引きはあいまいなようだ。
マナミさんは、ある月のスケジュール表を公開。5人の「パパ」と、30日中14日会っており、うち「1日2人」のかけもちの日は6日あった。会った際のお小遣いだけではなく、先日は引っ越し費用や家電購入のために100万円を出してくれた「パパ」もいた。
活動を始めたきっかけは、ガールズバーでアルバイトをしていた際、客の男性にハンバーガーを買ってもらい喜んだところ、男性も嬉しそうで「男は(女性に)喜ばれるのが好きなんだな」と気付いたことだ、とも明かした。
別の女性(ブタの人形)もVTR風画面で登場。25歳で息子(2歳)がいる専業主婦で、「パパ活」歴7年。現在は2人の「パパ」がおり、月のお小遣いは計30万円。ホテルなどに誘われることがあるが、「子供のお迎え」の時間を知らせる電話がスマホにかかってきた、などと嘘を言ってその場を逃れた経験などを語った。
「NHKホント攻め過ぎ」「色んな人生を見せてくれてありがとう」
番組では、「パパ活」の危険性も指摘。45歳の「パパ」のブタ人形が出てきて、
「やる気満々で行きますから。(女性は)ある程度のリスクはやっぱり覚悟しないと」
「『肉体関係なし』とか言ってる(パパ活の)女性は、その精神が気に入らない。お金もらってるわけだから。ずるい」
と、本音を語った。また、性暴力被害者支援センターの人もやはりブタ人形姿で、睡眠薬をもられホテルに連れ込まれたり、性被害を受ける場面を動画撮影され脅されたり、といった相談がきていることを明かし、
「非常に危険だと思います」
と指摘した。
画面は、最初のトーク場面に戻り、司会の2モグラが、危険性を指摘し、「パパ活」をやめるよう促したが、女性は危険性への理解を示しながらも、「金銭的にやめられない」「(今さら時給ウン百円でバイトするのは)無理です」とも述べ、心が揺れている様子だった。
こうした内容が放送されると、ツイッターでは
「NHKがこういうの放送するのってどうなんやろ?(略)売春をオブラートに包んで表現するの止めてほしい」
「NHK、ついにパパ活特集やっちゃったか」
「NHKホント攻め過ぎじゃないですかね!」
といった声が寄せられていた。中には
「NHKが正面から斬り込んでいく姿勢に感銘を受けている。色んな人生を見せてくれてありがとう」
と感謝する人も見受けられた。