「闘病」ではなく「治療」と言う
末期の腎臓がんと診断されながら、手術から5年後に寛解となった俳優の小西博之さん(58)も、がんを受け入れるという考え方の持ち主だ。2017年9月23日付「プレジデントオンライン」のインタビューで、「がんになった人、大病を宣告された人に僕が言いたいのは、『闘わなくていいよ』ということと、『思いっきり泣いてね』ということです。これは僕自身の経験からも断言したいことですね」と話している。「闘病」ではなく、「治るものを治していくというイメージ」がある「治療」という言葉を進んで使っている。
小西さんにとって芸能界の「師匠」萩本欽一さんの、次の言葉が大きな影響を与えたようだ。「人生は50対50。幸せも不幸せも同じようにくるんだよ。でも悪いことも受け入れるんだよ。そうすればいつか必ず良いほうに転じるからね」
がんとの向き合い方は、人それぞれだ。保険会社アフラックのウェブサイトに掲載されている「がんと生きるコツ600選」には、がんと闘うという人のコメントも多く紹介されている。例えば「『負けるか!』って大声で叫ぶ」「勝ってやるという気持ちを持つ」「『たいしたことではない』を口癖にする」といったものだ。
一方で「受け入れ派」も少なくない。「自分の体の一部であり付き合っていくしかない」「頑張ることなく楽しく生きる」「特別な病気じゃないんだと認識する」。
それぞれのスタイルで、がん治療に努めているのだ。