コンビニで缶入りのコーンスープを購入したところ、中身が真っ黒に変色していたなどの報告がツイッターに寄せられた問題で、製造元のポッカサッポロが一連の報告ツイートを投稿したユーザーへ謝罪していたことが分かった。
J-CASTニュースの取材に、同社の広報担当者が認めた。ただ、謝罪の理由については「お客様にご心配、ご迷惑をお掛けしたため」と説明。報告ツイートのような商品の劣化が本当にあったかどうかについては、「現在、事実関係を調査中」だと強調した。
「デマ」「自作自演」疑う声も
問題の飲料は、ポッカサッポロフード&ビバレッジが販売している「じっくりコトコト とろ~りコーン」。騒動の発端は、あるツイッタユーザーが2017年10月30日、
「ひと口飲んだらゲロの味して中身確認したらこれ。ホンマにやばい」
などと報告したことだ。ツイートには複数枚の写真が掲載されており、本来は黄色いはずの液体が真っ黒に変色していることが分かる。
また、翌31日には別のユーザーも、同じようにスープの中身が黒く変色した動画を投稿。あわせて、「味えぐいし、コーンも腐ってるやろ。ガチで気をつけて下さい」と報告していた。
こうした投稿に対して、インターネット上では「デマ」を指摘する声が相次いだ。写真にある缶スープの飲み口に付いている液体が黄色く見えることなどから、「自作自演ではないか」と疑う声が出たのだ。
しかし、最初の報告ツイートを寄せたユーザーはこうした指摘に反論。31日深夜の投稿で、「この話ですが別に信じてもらおうとは思いませんが、全て真実です」と主張。すでに業者側が自宅まで謝罪に来た、とも訴えていた。
それでも疑いの声は止まず、ネット上では、投稿者の住所を特定する動きも。投稿者が「ウソをついている」と決めつけ、誹謗中傷のリプライ(返信)を送るユーザーの姿も目立っていた。
劣化が起きる可能性は「事実」
その後、11月1日になって事態は進展。問題の缶スープを販売したローソンが、公式サイト上に謝罪文を掲載したのだ。
謝罪文では、「原因の究明はまだできておりません」としつつも、変質があったとの報告が出た缶スープについて、
「加温什器内で長期間または適温以上で加熱された場合に、劣化が発生する可能性があることがわかりました」
と説明した。
その上でローソン側は、ポッカサッポロ側と協力して商品の検査や加温器の品質確認を行うと報告。謝罪文の末尾には、
「多くの皆様に多大なご迷惑とご心配をお掛けしている事を心よりお詫び申し上げます」
とも記している。
ローソン広報室の担当者は11月2日昼のJ-CASTニュースの取材に対し、「事実関係は調査中」と説明。謝罪文の発表に至ったのは、商品の劣化を報告するツイートを見た消費者から、同社コールセンターに報告があったためだとした。
また、ポッカサッポロの広報担当者も同日の取材に、「今回のケースが事実かどうかは調査中ですが、加熱によって缶入り飲料の味や色が変質する可能性があることは事実」と認めた。
今回の騒動をツイートした投稿者の一人が「メーカー側から謝罪を受けた」と主張している点について聞くと、「間違いありません」と返答。ただ、今回の変質が事実かどうかは「まだ調査中」とし、投稿者に謝罪した理由については、
「お客様にご心配、ご迷惑をお掛けしたことは事実ですので」
とだけ話した。なお、ポッカサッポロ側では、今回の問題について謝罪やお知らせを公開する予定は「現時点では考えていない」という。