神奈川県座間市で9遺体が発見された事件に絡め、「猟奇殺人犯」の人物像をめぐって「ひるおび!」(TBS系)内で述べられた見解に「偏見」があるのではないか、とインターネット上で拡散されている。
番組コメンテーターの伊藤聡子さんは、「引きこもり」を引き合いに犯人像について発言。するとネット上では、「猟奇的な殺人は引きこもっているような人がする」といった形で複数の投稿がなされた。ところが、同時に伊藤さんは「一見普通に見える人だったら」とも発言していた。実際、どのような言葉を口にしていたのか。
「こういう異常な犯罪ってひきこもりとかがやるんじゃないですか」
座間市の自宅アパートから9人の遺体が発見され、死体遺棄容疑で2017年10月31日に逮捕された白石隆浩容疑者。警察に9人の殺害を認める供述をしているという。
同容疑者は以前、新宿・歌舞伎町で女性を風俗店に斡旋するスカウトマンをしていたとされる。2月には茨城県内で、売春させることを知りながら女性を風俗店に紹介したとして職業安定法違反の容疑で逮捕。5月に水戸地裁で懲役1年2か月(執行猶予3年)の判決を受けていた。
座間での猟奇的犯行とは別の「裏の顔」。11月1日の「ひるおび!」ではこの職安法違反の逮捕と絡めて事件の議論がなされ、伊藤さんも見解を述べた。
伊藤さんの発言としてツイッターで投稿されたのは
「こういう異常な犯罪ってひきこもりとかがやるんじゃないですか」
「猟奇的殺人、ひきこもりの人とかがやるのは分かるけど‥」
「こういう猟奇的な殺人は、引きこもっているような人がするようなことはある」
などといったものだった。いずれも多くのリツイートがなされ、引きこもりに対する「偏見」「差別」などと伊藤さんへの批判が飛び交った。
一方、実際に番組でなされた伊藤さんの発言はこうだった。上記一連のツイートとは形がやや異なる。
「一見普通に見えるとかだったら分かる...」
「もともと最初に逮捕された容疑が、売春を斡旋(あっせん)するとか。そういう犯罪をする人が、こういう猟奇的殺人をするケースがあまりないというか。一見普通に見えるとか、引きこもっているとか、そういう方だったら分かるんですけど、こういう犯罪(職安法違反)で逮捕されるような人でそういう犯罪(死体遺棄)をするのは、なかなかないケースだと思ったんです」
この発言をうけて、番組ではゲストの元警視庁刑事・吉川祐二氏が「職安法と殺人事件、共通点がないこともないんですね」と答えるように発言。「この容疑者は、人に声をかけて好感をもたれやすい人間、話しやすい人間だった可能性が高いと思います。だから、(職安法違反の時は)スカウトして人を安心させて連れて行ける。今回の(座間の事件の)場合は、声をかけ、連れ込んで殺人する。だから共通点がないこともない」と分析をしていた。