「王道アイドル」として知られるAKB48の「まゆゆ」こと渡辺麻友さん(23)が2017年末の卒業を前に、これからのAKBを託す若手メンバーを「後継指名」した。10月31日に地元・埼玉県のさいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)で開いた卒業コンサートで、渡辺さんが選んだ「若手選抜」で過去のヒット曲を披露した。
渡辺さんは報道陣からの質問に答える語りで「ポスト渡辺麻友」にも言及。
「全然、私なんか目じゃないくらいすごい。全然。私から見たら『まさにアイドル』」
と、「まゆゆ超え」に期待を寄せていた。
選んだのは「これからAKBのセンターを張れるんじゃないかと期待してる子」
渡辺さんはAKBの3期生として06年にデビュー。今回のコンサートは11年間の集大成だともいえ、渡辺さんは1曲目の「初日」から感極まって声を詰まらせた。アンコール明けには、純白のドレス姿で1万7000人(主催者発表)のファンを前に、
「本当に感謝してもしきれない思いでいっぱいです。」
「11年間、信じて歩んで来た道は間違ってなかったと思うことができました」
と、自らの「王道アイドル」路線の正しさを噛みしめた。
コンサートでは延べ35曲を3時間以上かけて披露。そのうち「真夏のSounds good !」(2012年)、「希望的リフレイン」(2014年)など、ヒット曲5曲で自らが選んだ「若手選抜」と一緒にパフォーマンスした。
「若手選抜」でセンターに立ったのは向井地美音さん(19)、川本紗矢さん(19)、福岡聖菜さん(17)らで、渡辺さんは終演後の囲み取材で
「普段からいろんなメンバーの子を見てて、特に私が『あっ、この子いいなって思ってる子だったり、これから、よりもっと輝いて、これからAKBのセンターを張れるんじゃないかという風に私が個人的にちょっと期待している子』
と説明した。
「私から見たら『まさにアイドル』」
とりわけ「最近すごく注目している」と小栗有以さん(15)の名前を挙げ、
「その子が今、めきめき成長中で、たくさんファンの方もいて、ぐんぐんアイドルオーラも増してて、まさに『王道アイドル』っていう感じの子で注目してて...、今回のコンサートでも沢山目立ったりさせてて、小栗有以ちゃんは、気にかけて注目しています」
と期待を寄せた。「ポスト渡辺麻友」との呼び声があることについては、
「全然、私なんか目じゃないくらいすごい。全然。私から見たら『まさにアイドル』。これから是非、AKBの王道アイドル、正統派アイドルとして頑張ってほしいと、すごく期待しています」
と絶賛した。小栗さんは14年、47都道府県からメンバーを1人ずつ集める「チーム8」に東京都代表として加入。「2万年に1人の美少女」としても知られ、17年に入ってから知名度が上昇しつつある。
大島優子「後継指名」で話題だったのは...
過去にAKBで話題になった「後継指名」が、向井地さんのケースだ。「ヘビーローテーション」(2010年発売)は大島優子さん(29、14年卒業)がセンターを務めたことが広く知られている。14年4月のイベントでは、大島さんの意向で当時は無名だった向井地さんセンターで「ヘビロテ」が披露され、これが「後継指名」だと話題になった。後に大島さんは「ポスト●●」「後継者」といった言葉について「すごく好きじゃない」と述べてはいるものの、向井地さんは16年の「選抜総選挙」の投票券つきの楽曲「翼はいらない」(2016年)でセンターを務めるなど、今ではAKBを代表するメンバーのひとりだ。
渡辺さんは、卒業後は女優として活動する意向で、取材での受け答えでも「脱アイドル」をにじませた。「女優以外に挑戦したいこと」を聞かれ、AKB48の中で「やってこれなかったことは山のようにある」として、
「えー、そうですねー。何だろうなー。んー。挑戦してみたいこと...」
と、しばらく考え込んだ末にひねり出したのが
「普通に、なんか、居酒屋とかでお酒飲みたいな。普通の感じのことをしてみたいな、と思います」
という答え。何を飲みたいかについては
「ビールで。ビール大好きなんで」
と笑顔で即答していた。