【健康カプセル ゲンキの時間】(TBS系)2017年10月29日放送
大病招く悪睡眠! 日常生活に注意
日本人の睡眠時間は平均7時間43分、世界でワースト2だという。睡眠不足になると、がんや心臓病など命に関わる病気になる危険性が高まることがわかってきた。
どうしたらしっかり眠ることができ、睡眠の質を高めることができるか。日本人に一番多い睡眠時の姿勢の「仰向け」がアブナイなど、「間違いだらけの睡眠法」を番組スタッフの日常生活の検証から正す。
心地よく眠りに入る夕食は「鍋」だった
番組の冒頭、恒例の健康クイズが出された。「質の良い睡眠に導いてくれる夕食のメニューは?」。「A:鍋」「B:天ぷら」「C:刺身の盛り合わせ」。正解は「A:鍋」だ。体温が低くなるとカラダは眠くなる。温かい食べ物で上がった体温が就寝前に下がることで、眠気が訪れる。ただし、寝る直前に食べると体温がまだ高いので、就寝3時間前までに食事を終えることが大切。
番組では睡眠不足の悩みを持つ40~50代男性、田中さん・加藤さん・石橋さんに活動量計をつけ、普段通りに生活してもらった。活動量計を装着すると、センサーが動きを察知し、就寝時間や寝返りの回数まで記録できる。田中さんのこの日の睡眠時間は5時間30分(入眠:午前0時56分、起床:午前6時26分)。データから大きな寝返りが多く、眠りが浅い。5時間半の睡眠中に合計1時間以上覚醒(実質的に目覚めている状態)していた。
「これはよくないですね」と、慶応義塾大学医学部の遠藤拓郎特任教授がこう解説した。
遠藤教授「睡眠時間が短いと、まずがんの発症率が高くなります。体にはがん細胞から身を守る免疫機能が備わっていますが、睡眠不足になるとこの機能が低下し、がん細胞が活性化してしまう。睡眠時間が6時間未満の人は7~8時間の人と比べ前立腺がんの発症率が1.34倍、乳がん発症率が1.62倍も高いデータがあります」
さらに、睡眠が悪いとアルツハイマー型認知症になりやすいという。アルツハイマー型認知症は脳が活動する際に発生する老廃物「アミロイドβ」が神経細胞を傷つけることで起こる。アミロイドβは眠っている間に脳外へ排出されるが、睡眠が十分に取れていないとアミロイドβが蓄積するのだ。睡眠不足はその他にも高血圧や肥満、心臓病、うつなどの様々なリスクを上昇させる。文字どおり「寝不足は万病の元」なのだ。