この技術でベンチャーが創薬支援や再生医療を開始
今回、東京大学の発表資料によると、研究チームはヒトiPS細胞から作製した運動神経を、独自に開発した親指ほどのマイクロデバイス(微小装置)内で培養し、運動神経の神経線維に構造が似た束状の組織を人工的に作り出すことに成功した。生理的な電気を通すなどの実験の結果、この組織が生体内の運動神経と同じ性質を示すことがわかった。
今回の結果について研究チームは発表資料の中でこうコメントしている。
「ALSは、酸化ストレスなどによって運動神経が激しく損傷をすることで発症すると考えられています。この技術で作り出した束状組織を用いれば、運動神経の損傷程度を評価できることを確認しました。運動神経をむしばむALSの発症のメカニズの解明や、治療薬の発見が促進されると期待されます。実際、すでにこの技術を用いてベンチャー企業がALSの創薬支援や再生医療に取組んでいます」