民進党の前原誠司代表が2017年10月30日にも辞任する見通しになった。民進党は10月27日に両院議員総会を開き、前原氏がまたも総選挙での混乱を陳謝。「大変強気な交渉を希望の党がされたので」と釈明する一幕もあった。メディア非公開で行われた「懇談会」では「即時辞任」を求める声が相次いだ。30日に全国幹事長会議を開き、その後の両院議員総会で前原氏が改めて進退を表明する見通し。
出席議員は59人、空席目立つ
両院議員総会には民進党所属の参院議員に加え、民進党籍を残したまま無所属で衆院選に出馬し当選した岡田克也元外相や原口一博元総務相も出席。ただ、集まった議員は衆参合わせて59人。前原氏が希望への事実上の合流を表明した9月28日の両院議員総会に比べて空席が目立った。
前原氏は冒頭、(1)全員が希望の公認を得られなかった(2)新たな政党ができた結果「非常につらいお立場で選挙を強いることになった」(3)野党が(与党と)1対1の構図に持ち込めず、安倍政権に対する批判が強かったにもかかわらず、結果として3分の2を許す結果になった、ことに対して陳謝。その上で、
「皆さん方はもちろん、『責任を取る人間が全てを決めるな』というご意見もあるだろう。しかし、特別国会を前にする中で、一定の方向性を決めた上で、私は辞任をさせていただき、新たな執行部のもとでスタートを聞いていただくことが大事なことではないか」
と述べ、「方向性」を出した上での辞任を改めて表明した。
「大変強気な交渉を希望の党がされたので」
この日の両院議員総会と懇談会は3時間30分に及んだ。懇談会に出席していた羽田 雄一郎参院議員(党幹事長代理)によると、前原氏は
「大変強気な交渉を希望の党がされたので、その中で比例も含めて交渉を最後の最後まで続けたので、各県連になかなか(交渉状況を)お伝えできなかった」
などと釈明。出席者の多くから「このままでは前に進めない」などとして「即刻辞めるべき」との声が出たが、最終的には
「民進党は、地方組織を含め、現状を維持する」
「両院議員総会として前原代表の辞任の意向を受け止める。30日に再度両院議員総会を開催し、結論を得る」
の2点を決めた。
前原氏は10月30日の全国幹事長会議で地方組織からの批判を受けた上で陳謝し、それを受けて両院議員総会で辞任する見通し。直後に新執行部を発足させ、11月1日に招集される特別国会に間に合わせたい考えだ。特別国会で行われる首相(首班)指名選挙での指名については、新執行部が発足しないと決められないとして、両院議員懇談会や総会では議論にならなかったという。