2017年のプロ野球ドラフト会議後、米ロサンゼルス・ドジャースのダルビッシュ有投手が、「プロで見たかった選手」として「植田拓」の名前をあげた。盛岡大付で2017年夏の甲子園にも出場したスラッガーだ。
かつてダルビッシュは、現在オリックスで先発ローテーションの一角を担う山岡泰輔投手を、高校時代に称賛。その目利きぶりは一目置かれており、一気に植田への注目が集まっている。
身長165センチで高校通算62本
ダルビッシュは2017年10月27日にインスタグラムを更新。清宮幸太郎内野手の交渉権を当てたくじの写真が、古巣の日本ハム・吉村浩GMから送られてきたとして、ドラフト会議に言及した。そこで書き込んだのが「自分としては植田拓選手をプロで見たかった」という1文だった。
植田は今夏の甲子園で3番・中堅の右打者として打線の中軸を担った。3回戦・済美戦では、最終盤の9、10回に2打席連続本塁打を放つ勝負強さ。16年夏、17年春に続く甲子園3季連続本塁打の記録は、史上6人目の快挙だった。準々決勝で、優勝した花咲徳栄に敗れて夏を終えた。
身長165センチと小柄。だが8月20日の日刊スポーツによると「でかい人には負けたくない」とウェイトトレーニングに励み、長打力を身につけた。高校通算本塁打は62本まで積み上げた。
ダルビッシュ、高校時代の山岡に「これは一番だわ」
プロ通算403本塁打の山崎武司は、8月16日のスポーツメディア「スポルティーバ」(ウェブ版)で植田について「体は小さいけれど、バットをよく振りこなせる選手ですね。個人的には好きな打ち方です」と賛辞を贈っていた。
ダルビッシュには13年夏の甲子園での「実績」がある。瀬戸内(当時)の山岡泰輔について、「動画見たけど、これは一番だわと思いました」「こういう人はプロにすぐ行くべきだと思います」(いずれも13年8月23日のツイート)と激賞。山岡は社会人リーグで3季プレーした後、16年オフにドラフト1位でオリックスに入団すると、1年目でいきなり先発ローテーションに定着した。エース・金子千尋の12勝(8敗)に次ぐチーム2位タイの8勝(11敗)をあげている。
植田はプロ入りにも意欲をみせていたもののプロ志望届を出さなかったため、ドラフト指名を受けられない立場だった。9月30日の日刊スポーツによると、社会人野球のバイタルネットに入団が内定しているという。山岡のように社会人を経て、数年後はドラフト1位指名を受ける日が来るのだろうか。