生の鶏肉食べたら幻視が...
  「カンピロバクター」が起こした恐ろしい病気

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

鍋料理の半生の鶏もも肉を食べていた

   東京都の男性は発症の2週間前、忘年会で鍋料理を食べた。その中の鶏もも肉が中まで火が通っていなかったがそのまま飲み込んでしまい、3日後から激しい下痢が1週間続いていた。

   大阪府の男性も、鶏の刺身を二切れ食べ、その4日後に39度の熱、激しい下痢、倦怠感、頭痛に襲われていた。

   様々な動物にカンピロバクターが存在するが、鶏が最も多く保菌している。鶏の腸にカンピロバクターが多く、処理される間に肉に菌が付着する場合がある。

   新鮮なら生で食べても大丈夫と思われがちだが、実は大間違いだ。

   東京顕微鏡院の伊藤武名誉所長「カンピロバクターは酸素に触れるとどんどん死んでいく。常温で置いている鶏肉からは少しずつ菌が減っていく。新鮮な肉ほど元気よくカンピロバクターが汚染している」

   ギラン・バレー症候群の治療は、精製した血液製剤を集中的に投与し、異常な自己免疫を抑える。一般的には1か月過ぎると回復に向かい、半年から1年で約7割の患者が元の生活に戻れる。

   しかし東京都の男性は症状が悪化していった。首の筋肉がまひして首がすわらないほか、病室のカーテンの格子が原稿用紙のマス目に見え、お経のように知らない漢字で埋められるなどの幻視も現れた。意識ははっきりしていたので、現実でないと理解はできた。

   さらに胸の筋肉が動かなくなって自発呼吸ができなくなり、不整脈も起こした。喉の筋肉がまひして誤嚥(ごえん)が起き、何度も肺炎に。熱と胸の痛みが1か月間続いた。

   3か月で体重が20キロ落ち、入院生活は半年に及んだ。現在は普通に歩けるほどに回復したが、手の先にまだまひが残っている。

   大阪府の男性も半年間入院し、必死のリハビリで仕事に復帰したが、いまだ手足のしびれは残っている。

   大阪府の男性「生の肉を食べたら、悪くても食中毒くらいだろうという甘い考えだった。こんなに大きな病気になって、後遺症をずっと抱えて生きていかなくちゃいけない。ギラン・バレー症候群になる可能性を知っていれば食べなかった。病気の危険性を知るのが大事だと感じています」

1 2
姉妹サイト