高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
節操なきドタバタ衆院選 民進再結集はスタンバイ状態

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「首相の解散権制約」求めるのは筋悪

   立憲も偉そうに言えない。いったん希望への合流を決めた後に、希望から排除されると分かってからあわてて新党を作ったからだ。それに比べると、無所属で総選挙を戦った人の方がマシである。

   こうみていると、民進党再結集となっても、その中の人をみると、今回の総選挙の節操のなさを国民は見たわけで、いくら立派なことを言っても、そう簡単には信じてもらえないだろう。

   一応、信を得た形の立憲も、枝野代表が、憲法改正について、「9条改正の論議に応じる」とした一方で、「首相の解散権制約」を俎上にのせることを求める発言をした。

   これはかなり筋悪だ。たしかに、外国では解散権に制約を設けている国も少なくないが、日本で総理の権限を奪ったら結果として喜ぶのは官僚である。解散がスケジュール化されれば、官僚は総理コントロールがより簡単になる。2014年のように消費増税を吹っ飛ばす解散もなくなる。総理の権限を落とせば官僚は各省大臣を籠絡するのは簡単なので、官僚内閣制は揺るぎないものになる。

   安倍政権を許すまじということで、憎しのあまりに総理の解散権制約を言い出したら危険だ。憎かったら総選挙で勝つしかない。選挙で勝てないから総理の権限をしばりたいというのは邪道でしかない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に 「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「ついにあなたの賃金上昇が始まる!」(悟空出版)など。


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