東京都の小池百合子知事(希望の党代表)が衆院選の反省を述べたはずの記者会見(ぶらさがり取材)の場で、記者の質問を「無視」する場面があった。小池氏は衆院選の公示前、この記者の挑発に近い質問に答える形で民進党のリベラル派を「排除いたします」と発言。希望が急速に失速するきっかけになった。
こういった背景からか小池氏は、質問を終始無視し続けた。「情報公開」を訴え続けた選挙中の主張との整合性が問われそうだ。
質問さえぎって「はい、次の質問どうぞ」
小池氏から質問を無視されたのは、フリーランスの横田一(はじめ)記者。民進党や東京都知事の会見で、安倍政権に批判的な立場から質問することが多い。
2017年10月25日の希望の党の両院議員懇談会後に小池氏は約7分半にわたって取材に応じた。「異変」が起こったのは、今後の見通しについて
「いかにして希望の党として新しい出発、今後の勢いをつけていくか。その責任は大きいと思いました」
と述べた直後だ。横田氏が
「結果責任を取らない理由は何ですか。排除発言を撤回していれば、こんな事態は招かなかった。前原さんとの...」
と質問を始めたが、途中で小池氏が
「はい、次の質問どうぞ」
とさえぎり、別の質問を受けたのだ。その後も横田氏は
「(記者を)排除するんですか、選別するんですか」
「反省してないんですか、排除発言を」
と声をあげたが、小池氏は答えることなく会見場を後にした。
この伏線だとみられるのが衆院解散翌日の9月29日に行われた都知事会見だ。基本的に毎週金曜日に行われる都知事定例会見では、前半の「1部」で都政に関する質問を受けつけ、後半の「2部」で、それ以外の質問を受けることになっている。この日の会見の「1部」で、横田氏が民進党出身者の希望への受け入れをめぐって
「(前原氏と小池氏で)言ってることが違うと思うんですが、前原代表を騙したんでしょうか。それとも共謀して、そういうことを言ったんでしょうか」
と質問。小池氏が
「そのご質問は、この後、ちょっと場所を転換して、お答えをさせていただいた方が良いのではないか」
「独特の言語を使っておられる」
と不快感をにじませながら仕切りなおした。