外国語を話すときはお酒をひと口 恥ずかしさが消え発音がグッドに

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羞恥心がコミュニケーション力向上を妨げる

   今回の研究の対象者は、「オランダ語を学ぶ、ドイツ語を母国語とする50人」だった。J-CASTヘルスケアがあるドイツ人男性に聞くと、「ドイツ語とオランダ語は多少音が似ていて、私がオランダ語の会話を聞いている時、ある程度は内容の見当がつきます」と明かした。ただ、だからと言ってオランダ語を話せるわけではないと付け加えた。例えば英語と日本語はまるっきり異なる。それと比べればドイツ語とオランダ語は「近い言語」といえるが、会話力は基本的に最初から身に着けなければならない。

   こうなるとワースマン博士の指摘通り、「自分のオランダ語が伝わるか」という不安を拭い去るうえでアルコールが役割を果たしたと考えられそうだ。被験者が完璧なバイリンガルではなく、大学でオランダ語を学んでいた人たちという点から見て、自分の語学力に自信が持てない人もいたはずだ。

   国際会議の通訳経験が豊富な女性に取材すると、友人やクライアントを観察してきたエピソードを話してくれた。お酒を飲むと「人によっては饒舌、大胆になり、間違いを恐れず外国語でコミュニケーションできるようです」。コミュニケーション力の向上を妨げるのが、「こんな下手な言葉づかいをしたら、人に笑われるんじゃないか」という羞恥心だと指摘。アルコールの力が、「どうしよう」と萎縮する心を解放し、羞恥心のハードルが低くなるのだろうと考える。

   言語学が専門で、米国留学経験の豊富な東京都内の女性大学教員にも聞いた。今回の研究結果では、発音が評価された点に注目。「お酒を少し飲むとよくしゃべるようになり、人によっては外国語の発音をまねるのが恥ずかしくなくなって、その言語のネイティブの人には上手に聞こえるのかもしれません」と推測した。

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