JR北陸線の南今庄駅(福井県南越前町)で2017年10月24日、普通列車が所定の停止位置を通り過ぎるオーバーランが1日で3回も発生する「珍事」があった。
JR西日本金沢支社の広報担当者も、同じ駅での1日3回のオーバーランは「かなり珍しい出来事」だと驚く。理由としては、台風21号の影響で落葉などが線路上まで飛来したことで、通常よりも線路がかなり滑りやすい状況となっていた可能性が考えられるという。
1日に3回、運転士はいずれも別人
南今庄駅でオーバーランがあったのは、朝7時頃、夕方の16時30分頃、夜19時頃の計3回。いずれも米原駅(滋賀県)方面へ向かう上り列車で、運転士は3回とも別人だった。3本の列車の乗員乗客計約270人にけがはなかった。
1回目のオーバーランでは、所定の停止位置を約60メートル過ぎて停車。2回目は約100メートル通り過ぎた。3回目は停止位置より約170メートルも先まで進んだ。いずれも、近くに踏み切りがある関係からバックで駅まで戻ることができず、そのまま次の敦賀駅へと向かった。
1、2回目のオーバーランでは南今庄駅で乗降する客はいなかった。3回目は1人の乗客が降りる予定だったが、1度敦賀駅へ向かい、そこから下り列車へ乗り換えて南今庄駅へ着いた。この乗客は通常より1時間ほど到着が遅れたという。
なぜ、ここまでオーバーランが頻発したのか。JR西日本金沢支社広報室の担当者は25日、J-CASTニュースの取材に、
「理由としては、台風の影響で落葉などが線路上まで飛来し、線路が滑りやすくなっていたことが考えられます。どの運転士も、線路が滑りやすい状況だったことは把握し、通常よりも注意深くブレーキを使っていましたが、それでも行き過ぎてしまったようです」
と説明した。