星乃珈琲店の好調も寄与 ドトール・日レス株が上場来高値

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   日経平均株価が歴史的な連騰に沸く中で、外食株の一角も大きなにぎわいを見せている。ドトール・日レスホールディングス(HD)は中間決算の好業績が好感され、2017年10月16日に約2か月ぶりに上場来高値を更新した。16日にはほかにも前営業日(13日)取引終了後に決算発表があった居酒屋チェーンの串カツ田中や、英国風パブ「HUB」などを展開するハブの株もそれぞれ大きく値を上げた。ドトール・日レスHDは24日にも高値を更新。株式市場全体が上昇している中でも、業績好調な内需株の外食チェーンは成長余地があると見られており、積極的な買いが入っている。

   ドトール・日レスHDとは聞きなれないな、という人もいるかもしれない。2007年、コーヒーチェーンのドトールコーヒーと、「洋麺屋五右衛門」などを展開する日本レストランシステムの両社が、経営効率化などを目指して経営統合したことで発足した持ち株会社だ。今年は統合から10年の節目。堅調に業績を伸ばしたことが株式市場に評価され、上場来高値をつけたのだから立派なものである。

  • 市場が活況のなか、外食株の一角もにぎわいを見せている(画像はイメージ)
    市場が活況のなか、外食株の一角もにぎわいを見せている(画像はイメージ)
  • 市場が活況のなか、外食株の一角もにぎわいを見せている(画像はイメージ)

「働き方改革」の影響も

   そのドトール・日レスHDが10月13日に発表した2017年8月中間連結決算では、営業利益が前年同期比7.3%増の63億円となり、過去最高を更新した。売上高は5.1%増の669億円、純利益は17.9%増の40億円と増収増益だ。今でもドトール・日レスHDには連結子会社のドトールコーヒーと日本レストランシステムがぶらさがっており、それぞれにグループを形成して売上高や営業利益も公表している。それによると、売上高はドトールグループが日本レストラングループの約2倍の420億円だが、営業利益はドトール30億円に対し日本レストラン27億円とあまり差がない。

   日本レストラン側の利益率が高い理由の一つに、2011年から展開し今では200近くの店舗がある、やや価格の高いチェーン「星乃珈琲店」の好調さがある。ドトールでブレンドコーヒーSを頼めば220円(税込)だが、星乃珈琲店だと最も安い星乃ブレンドでも420円(店舗により異なることがある)で、ロイヤルミルクティーなど500円するメニューもたくさんある。直火焙煎など味にこだわり、座り心地の良い椅子を置くなどして顧客に高価格を受け入れてもらっている。最近では、「働き方改革」で勤務するオフィス以外での仕事が認められる傾向にあることも、少々値が張っても過ごしやすい店舗への顧客の来店を促しており、「星乃」以外でも「スターバックス」などに人が集まる要因となっている。

「株主重視」を好感

   とはいえドトールグループ側も中間決算の営業利益が2割増と好調だ。ドトールの店舗では最近、国産あずきを使用した「宇治抹茶フローズン」や、「青森県産りんごストレートジュース」など季節の商品が業績を底上げしている。ドトールグループの「エクセルシオールカフェ」でも国産のパイナップルと白桃を使ったフローズンドリンクが顧客の支持を得たという。

   10月13日に2017年8月中間決算を発表したハブ、16年12月~17年8月期決算を発表した串カツ田中の業績も好調。これを受け、翌営業日である週明けの16日の株価はドトール・日レスHDを含めた3社とも「窓」をあけて上昇した。「窓」とは、株価のグラフの一種「チャート図」で、前日の株価の最高値より当日の株価の最安値が高いため、図がつながらず途切れたようになる現象。取引開始時に大量の買いが入ったうえ、その日は高値を維持したことを意味する。決算発表を受けて投資家が食指を動かしたことを示すといえる。

   ハブは売上高が前年同期比12.0%増、純利益が47.1%増、串カツ田中は売上高が39.5%増、純利益が40.1%増とそれぞれ猛烈な増収増益で成長途上にあることをアピールしたことが好感された。ドトール・日レスHDは決算発表に合わせて年間配当予想を前期比2円増の32円に修正したり、自社株買いを発表したりしたことも「株主重視」と受け止められて株価上昇の要因となった。

姉妹サイト