ヘッチャラな隊員は無意識で「ゆっくり呼吸」
今回の結果について、長谷川達央隊員は発表資料の中でこう語っている。
「これまで船酔いになりそうな人の指標がみつかっていませんでした。今回の成果をもとに研究を進めれば、乗船後の呼気中の二酸化炭素濃度を測り、重度の船酔いになりそうな人を予想し、船酔いの予防薬を与えることができるようになります。船酔いの症状がない、または軽くすんだ人は、船が大きく揺れる環境にさらされた時、おそらく無意識に呼吸のテンポを遅くして(酸素を多く取り込んで)いたと考えられます。船酔いは釣り船や観光船にもみられます。今回の研究が船酔いの予防につながること期待します」
乗り物酔い防止には、よく「ゆっくり呼吸」が効くといわれる。「腹式呼吸」や「ヨガの深呼吸」、あるいは「4-7-8呼吸法」など。これは、(1)4秒間鼻から息を吸う(2)7秒間息を止める(3)8秒間口からゆっくり息を吐く、というもの。改めて呼吸の重要さが示された形だ。