「アベノミクス相場」はどこまで続く? 株価、過去最長の15連騰

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   衆院選での自公圧勝を受けてはじまった2017年10月23日の東京株式市場は、前営業日(20日)から250円超上昇の2万1709円30銭でスタート。一時は2万1723円60銭まで上昇して年初来高値を更新した。

   終値は20日から239円01銭上昇の2万1696円65銭。日経平均株価は、衆院解散の翌週の10月2日から23日までに、1295円87銭も値上がり。過去最長の15連騰となり、1996年7月15日(終値2万1753円42銭)以来、約21年3か月ぶりの高値水準となった。

  • 株価15連騰の過去最長を記録
    株価15連騰の過去最長を記録
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米国の株高が後押し

   安倍政権の経済政策「アベノミクス」が信任を得たことで、円安・株高の「アベノミクス相場」が続きそうだ。250円を超える上昇ではじまった10月23日の東京株式市場は、いったん伸び悩む場面もあったものの、終始「買い」が優勢で、取引を終えてみれば、過去最長の15連騰を記録した。

   ニッセイ基礎研究所・金融研究部の井出慎吾チーフ株式ストラテジストは、「海外投資家があわてて買っているようですね」と話した。当面は、この連騰記録がどこまで伸びるかが、注目されるところだ。

   与党圧勝で、23日早朝の東京外国為替市場で円相場は下落。1ドル=113円93銭近辺と7月12日以来、約3か月ぶりの安値水準を付けた。前営業日の20日から、60銭程度の円安。日本の政治体制が安定し、日銀による異次元の金融緩和政策の継続見通しから、日米金利差の拡大を見込んだ「円売り・ドル買い」が先行した。米国の税制改革への楽観論が追い風になったこともある。同日16時時点では、1ドル=113円72銭近辺で推移している。

   株高は、こうした円安基調を背景に、輸出関連銘柄の伸びが目立つほか、企業の業績拡大への期待から背景に幅広い銘柄が買われている。連日の米国の株高が後押ししていることもある。

   前出の井出氏は、「一本調子ではありませんが、株価の上昇基調は続くでしょう」とみている。そのポイントは「企業業績」にあり、日経平均株価の適正水準が2万2000円~2万3000円に引き上がる可能性があると指摘する。

懸念材料は、加熱する米株下落と北朝鮮リスク

   株価の上値を2万2000円~2万3000円と予測する理由について、ニッセイ基礎研究所の井出慎吾氏は、「アベノミクス前と比べて日本企業の『稼ぐチカラ』(=1株あたり利益)が違います。当時と比べて、それが過去最高に増えているのですから、株価が最高値を更新するのは当然です。今の2万1000円は身の丈に合った水準といえ、まだ割高とはいえませんし、(高値更新が)もっている意味合いが過去とまったく違います」と、説明する。

   しかも、世界的に好調な景気や円安を背景に、日本企業の業績はさらなる改善が見込まれるのだから、2万2000円は一つの「通過点」になってしまうかもしれない。そんな勢いがあるようだ。

   一方、そんな株価上昇に水を差す材料をさがすと、北朝鮮問題など地政学リスクへの懸念が払拭できないことがある。加えて、過熱ぎみの米国の株価だ。米ニューヨーク株式市場もここ数日来、高値更新を続けている。井出氏は「米国株は高過ぎます」と指摘。「米国株が急落すると、日本株が煽りを受けることになりますから、心配されます」と話す。

   ただ、それでも「2万円を割り込むことはないでしょう」とみている。

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