懸念材料は、加熱する米株下落と北朝鮮リスク
株価の上値を2万2000円~2万3000円と予測する理由について、ニッセイ基礎研究所の井出慎吾氏は、「アベノミクス前と比べて日本企業の『稼ぐチカラ』(=1株あたり利益)が違います。当時と比べて、それが過去最高に増えているのですから、株価が最高値を更新するのは当然です。今の2万1000円は身の丈に合った水準といえ、まだ割高とはいえませんし、(高値更新が)もっている意味合いが過去とまったく違います」と、説明する。
しかも、世界的に好調な景気や円安を背景に、日本企業の業績はさらなる改善が見込まれるのだから、2万2000円は一つの「通過点」になってしまうかもしれない。そんな勢いがあるようだ。
一方、そんな株価上昇に水を差す材料をさがすと、北朝鮮問題など地政学リスクへの懸念が払拭できないことがある。加えて、過熱ぎみの米国の株価だ。米ニューヨーク株式市場もここ数日来、高値更新を続けている。井出氏は「米国株は高過ぎます」と指摘。「米国株が急落すると、日本株が煽りを受けることになりますから、心配されます」と話す。
ただ、それでも「2万円を割り込むことはないでしょう」とみている。