【健康カプセル!ゲンキの時間】(TBS系)2017年10月15日放送
「今度こそ三日坊主を克服!続けられる体力作りを紹介」
階段の上り下りがつらくなってきた、ちょっと急いで歩いただけで息切れする...などなど、日常生活で体力の低下を感じる人は多いだろう。腰痛やひざ痛をはじめ、脳や循環器系の疾患を防ぐためにも、体力作りは重要だ。
しかし「時間が取れない」「仕事で疲れている」といった理由で始められなかったり、始めても続かなかったりするものだ。番組では、三日坊主の人でも続けやすい体力作りの方法を紹介した。
非日常は脳にとってストレス
普段体を動かさない人にとって、体力作りは「非日常」といえる。脳はいつもやらないことをやるのに臆病で、歳を重ねるとともにその傾向が強くなる。体力が必要になる年齢になるほど、体力作りを始めようとしても脳がブレーキをかけてしまう。杏林大学名誉教授の古賀良彦氏はこれを「脳ポリス」と呼ぶ。
入浴や歯みがき、家事など、日常的にしていることには脳ポリスは無反応だが、新たに始めることは「どうやったら上手くいくか」など色々と考え、脳にとってストレスになる。すると脳ポリスが反応し、体に無理させまいとやる気をなくす。高いモチベーションがなければ元の生活に戻ってしまう。三日坊主は脳の仕組みからして仕方ない部分もあるのだ。
そんな脳ポリスだが、実はだまされやすい性質もある。普段の生活の中に体力作りをまぎれ込ませたら、脳が新しいことだと気付かずに体力作りを続けられる。
テレビ鑑賞がインナーマッスル鍛えるチャンス
日本筋力トレーニング推進協会の佐藤健一代表理事が紹介する体力作りは「筋発揮張力維持スロー法」だ。
体を動かすと、脳下垂体から体力作りに欠かせない成長ホルモンが分泌される。本来は筋肉に70%以上の負荷がかかった時に分泌されるが、ゆっくりとした動きなら30%の負荷で分泌させられる。
力を入れると、圧力でその部分の血管が圧迫され、筋肉が虚血状態になる。ゆっくりした動作で長く筋肉内の血流を制限すると、そこに代謝物がたまり、激しく動いたと体が勘違いする。結果、脳下垂体から成長ホルモンが分泌され、筋肉増強、代謝促進につながる。
普段からルーティンで行っていること、トレーニングするチャンスが多いことに体力作りをまぎれ込ませるのが続けられるポイントだ。
洗濯物干しなど、家事や仕事で立って作業している時には、下半身の筋力と柔軟性をアップさせるトレーニングがオススメだ。
足を前後に開いて両ひざを曲げ、顔は正面を向く。片手を腰に当てて片腕を3秒かけて右から左に、3秒かけて逆に大きく振る。これを1セットとし、1日6セット行う。腰痛や便通の改善、ウエスト引き締め効果も期待できる。
デスクワーク中は、3秒かけてひざを上げ3秒キープし、また3秒かけてひざを下ろすトレーニングを。片足3セットを目安に行えば、転倒防止や足腰の冷え改善につながる。
上半身が疲れたら、両肩を3秒かけて回し、胸を開いた状態で3秒キープする。3~6セットで猫背予防、肩こり改善が期待できる。
座ってテレビを見ている時も、腹部のインナーマッスルを鍛えるチャンスだ。
お腹に手を当て、お腹をへこませながら3秒かけて息を吸い、さらにお腹をへこませて3秒かけて息を吐く。5~6セットを目安に行う。
その後、お腹をへこませたまま、上半身を右から左へ4~5秒、左から右へ4~5秒かけて傾ける。こちらは4~5セットが目安だ。
腰痛改善やお腹周りの引き締めにつながるほか、入浴中に行えば免疫力アップにも効果的だ。