手足を冷やすと血流が滞り、抗がん薬をブロック
それにしてもなぜ手足を冷やすと、しびれを予防できるのか。J-CASTヘルスケアの取材に、華井明子さんはこう答えた。
「寒い日に指先が冷えて青白くなる様子をイメージするとわかりますが、手足を冷却すると末端への血液循環が抑えられます。抗がん剤を点滴すると、血流に乗って体中に薬が届きますが、副作用を起こす手足だけは血流が滞り、薬が届かなくなります」
――予防効果はずっと続くのですか?
華井さん「点滴を行なう時に毎回冷却し、抗がん剤の血中濃度が最も高くなっている時に、手足に抗がん剤が到着するのを防ぎますから、ずっと予防効果が続きます」
――マイナス25~30度というと、自宅の冷蔵庫で手袋・靴下を冷やし、しびれを治すというわけにはいきませんね。
華井さん「冷却は毎回の点滴時の『予防策』として行なうもので、一度出てしまったしびれを治療するものではありません。点滴は病院で行ないますから、冷却も病院で行なうことになります。病院によっては冷凍庫がない所もありますから、全国的な導入に当たっては診療報酬改定も必要と考えています」