「予測の数字は厳しい」。希望の党・細野豪志氏は悲痛な思いをにじませた。当選確実者を表す開票センターの「花」は、なかなか増えない。
議員定数の過半数となる235人を擁立し、「政権選択選挙」と意気込んだ衆院選だが、厳しい船出となった。樽床伸二代表代行は「我々は中小企業だ。まだ体力がない」と少数政党を自認した。
「大きな風は一時吹いた」
衆院選の投票が締め切られた2017年10月22日20時以降、希望の党が開票センターを構えたホテルのホールは沈黙が続いた。当確者が出るたびに花をつけたが、出席した細野・樽床両氏は笑顔も会話も交わさなかった。少しずつ入ってきた当確情報も途切れ、会場の空気はいっそう張りつめた。会場内で連絡を取り合っていた報道関係者も、「小さい声で喋っても目立つ」と声をひそめていた。
惨敗の矢面に立った細野氏は、テレビやラジオ各局の中継でも声のトーンは低かった。細野氏は「8月に民進党をやめ、政権を担える政党をつくろうという思いで、1人で飛び出してきた。その時のことを思えば」などと語ったが、表情は晴れない。
一方で樽床氏は「大きな風は一時吹いた。だが我々は中小企業だ。まだ十分な体力がない」と話した。小池百合子代表は「政権選択選挙」と位置付け、当初「まだ与党になるか野党になるか分からない」との発言もあったが、この衆院選では遠く及ばなかった。
「『言葉や表現がきつかった』という意見は頂いてきた」
さらに樽床氏は、「『言葉や表現がきつかった』という意見は頂いてきた。そういうところで風を受けきれなかった」と分析した。小池代表の「(民進党の一部を)排除する」発言が念頭にあるとみられる。
また樽床氏は「我々は改革保守の政党を立ち上げた。苦しくても、何度か挫折があっても、諦めずにやっていく必要がある」とも発言。だが細野氏と違い、樽床氏自身は結党メンバーではなく、5日に第3次公認を得ていた。
こうした話を隣で聞いていた結党メンバーの細野氏は、終始無表情でややうつむいていた。当確者の花をつけるための、横10メートル×縦2メートルほどの巨大なボードは空白が目立っていた。