中国「ガラスのドア」は破られたのか 民間主導「杭紹台高速鉄道」の意味

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民間が跳ね返されてきた「スイングドア」

   近年、中国政府は「民間資本にとって、中は見えるけれども、入ることのできない『ガラスのドア』及び入れそうに見えるが、入ろうとすると常に跳ね返される『スイングドア』であるという現象を打破すべきだ」と繰り返し強調している。杭紹台高速鉄道プロジェクトは、最も注目すべき模索とブレイクスルーで、「風向計」の意味を持つものであることは間違いない。

   歴史からみると、中国でも、鉄道の「支線」の建設と運営に参入した民間企業の前例はあるものの、プロジェクト完成後の運営においては、輸送能力の割り当てなどが、政府部門と国有企業に圧迫され、利益も保障できず、結局のところ、苦心惨憺たる結果、民間企業は退くしかなかった。これは『スイングドア』現象の典型的な現れである。

   そのため、杭紹台高速鉄道が完成し、運営が始まってから、いかに高速鉄道網の中で国有企業と「同一視」され、効果を発揮し、民間企業の投資回収が保障されるかどうかが注目される。それができてこそ、『スイングドア』を乗り越えられたと言える。

   杭紹台高速鉄道のPPP事業について、『人民日報』は「アピールに値する真のPPP」としている。民間資本主導で、インフラと公共事業の建設や運営を市場化・商業化するうえで、新たなモデルを確立することが期待されているということだろう。

   一方で、杭紹台高速鉄道の将来は、完全には楽観視しないほうがいい。民間資本を支配株主にするのは株主構造の設計においては画期的な意味があるものの、鉄道建設後の実際の運営で、もし民間資本の株主と中国鉄道総公司、地方政府などの国有株主代表が取締会で対立が生じた場合、市場ルールによる解決が保障できるかどうかは、恐らく未知のことだからだ。

   中国の「官」はいつでも強気一方だということは誰にでもわかっていることで、ここが、国有企業改革の真贋を判断するもっとも大きな材料でもある。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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