「田中将大ガチャ」。こんな耳慣れないワードが、インターネット上の野球ファンの間で話題になっている。
これは、好不調の波が激しいヤンキースの田中将大(28)の投球を、課金型スマートフォンゲームの「ガチャ」と呼ばれるくじ引きシステムになぞらえた言葉だ。ネット上では、田中投手が登板するたびに、「田中ガチャ何が出るかなぁ」などの声が飛び交う騒ぎが起きているのだ。
「田中将大ガチャ成功してるやんけ!」
2017年の田中は不安定な投球が続いた。レギュラーシーズンの成績は13勝12敗、防御率4.74。目の覚めるような快投を見せたかと思えば、次の試合で滅多打ちを食らうなど、投げてみるまで調子が分からないような投球が目立った。
波の激しい投球を繰り返す今季の田中には、地元ニューヨークのメディアも「謎の存在」(NYデイリーニューズ)、「ザ・マサヒロ・タナカ・パニック」(ニューヨークポスト紙)などと手厳しい評価を寄せてきた。
こうした田中のピッチングの内容が、国内のネットユーザーの間で「ガチャみたいだ」と思わぬ形で注目を集めているのだ。
そもそも、「田中将大ガチャ」というワードが広まったのは、10月7日にネット掲示板「2ちゃんねる」上に、
「ヤンキースさん、0勝2敗の後がない状況で田中将大ガチャ(20億)を回してしまう」
というスレッドが立ったのがきっかけだ。
これは、ア・リーグ地区シリーズ(全5試合)の第3戦で、ヤンキースの先発に田中が選ばれたことで立ったもの。このスレッドでは、負けたらシリーズ敗退という崖っぷちの状況の中で、田中がどんなピッチングをするかを「ガチャ」になぞらえて予想する意見が交わされていた。
その後、田中はこの試合で強打のインディアンス打線を相手に7回無失点7奪三振の快投を見せた。するとツイッターやネット掲示板には、先の「ガチャ」に関するスレッドを引き合いに、
「田中将大ガチャ成功してるやんけ!」
「田中ガチャのSSR(編注・ダブルスーパーレア)をここぞで引くとは流石ヤンキース」
「(ヤンキース監督の)ジラルディは田中ガチャに勝ったんやね」
などと面白がる書き込みが相次いだのだ。