交通事故死者数、14年連続全国ワースト1位――。こんな不名誉な記録をもつ愛知県民の運転マナーを表す言葉に、「名古屋走り」というものがある。無理な車線変更や強引な追い抜きなど、とにかく「運転モラルが低い!」と叫ばれているのだ。
実際、インターネット上には、ほぼ毎日のように「名古屋には2度と車でいかない」といった書き込みが寄せられている。だが一方で、地元の自動車教習所職員らは、名古屋走りの悪評は「イメージが一人歩きしているだけ」と反論する。はたして、その理由とは。
「黄信号であればためらいなく進入」?
年間の交通事故死亡者数は2003年以降、14年連続で愛知県がワースト1位。こうした不名誉な実績もあり、「名古屋走り」を揶揄する声はネット上に絶えない。
さらに2017年10月17日には、愛知県内の交差点で1台の車が「歩道」を走行する様子をおさめた動画がツイッター上で公開された。投稿者は動画について、「THE名古屋走りって感じ」と説明。投稿のリプライ(返信)欄にも、
「あー......名古屋だからね、仕方ない」
「名古屋は普通に信号渡ってるだけで死にそうになります」
といった揶揄のコメントが相次いで寄せられた。
そもそも「名古屋走り」とは何なのか。
辞典サイトWikipediaでは、「名古屋市およびその近辺で見られる特有の行儀の悪い運転および道路交通法違反運転の総称」と説明されている。その上で、ページ内では名古屋走りの特徴について、
「黄信号であればためらいなく進入する」
「車線変更時にウィンカーを出さない」
「横断歩道で手を上げている歩行者がいても無視して止まらずに進む」
などの10項目が挙げられている。
また、日本自動車連盟(JAF)の公式フェイスブックも15年3月の投稿で、名古屋走りについて愛知のJAF職員に聞いたところ、
「名古屋は交差点が広いため、右折中に追い越したり、車線をまたいで走行し、車線変更を繰り返す」(原文ママ)
などの説明を受けたと紹介していた。