J-CASTヘルスケアでは2016年8月6日付で、「ゲーマー親指」に関する記事を掲載した。ゲーム機器で遊ぶ子どもに多く、親指を酷使して手首が腱鞘炎を起こして激しい痛みに襲われる。
モバイル機器による腱鞘炎は、実は子どもだけに限らない。最近ではスマートフォン(スマホ)の使い過ぎによる手首の痛みを訴える人が増えている。
スマホの「フリック入力」に注意
2017年10月17日放送の「あさチャン!」(TBS系)では、東京都内のさかい整形外科に通院する68歳の主婦を取り上げた。腱鞘炎と診断され、手を少しひねると痛みを感じると話す。日常生活で手首を酷使しているわけではない半面、最近スマホを使い始めた。
このクリニックの院長、酒井直隆氏によると、以前はピアノを演奏する人や美容師に多かった腱鞘炎患者が、最近は職業に関係なく訪れるという。腱鞘炎は、指を動かすときに使う「腱」と、その通り道である「腱鞘」がこすれ合って炎症を起こす。
これが「スマホ腱鞘炎」と呼ばれる症状のようだ。群馬県前橋市にある西田整形外科のウェブサイトによると、スマホの片手操作が影響している。「筋肉の使い方に偏りが生じます。そうなると、手と腕の筋肉や関節に負担がかかりやすくなります」という。
またスマホ操作で関節を曲げている時間が長く続くと筋肉が凝り、血液の流れが滞る。
「あさチャン!」で指摘されたのは、親指の動きだ。片手でスマホを持ち、親指だけで文字盤に触れて上下左右に動かしながら文字を打ち込む「フリック入力」が、腱鞘炎を引き起こす原因になっている。親指の本来の働きは「ものをつかむ」で、複雑な動きは苦手。入力の際に親指を広げて筋肉を使い続けることで負担が増し、腱鞘炎につながってしまう。
多くの人にとって、スマホを全く使わない生活は難しいが、不要なダラダラ使用は極力避けて手を休ませるよう心掛けるしかなさそうだ。