寝室だけ暗くても意味ナシ! 睡眠の質は「寝る2時間前の照明」で決まる

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【あさイチ】(NHK総合)2017年10月11日放送
「電気代は?眠るには?目には?知って得する照明術」

   家にオフィス、通勤電車などなど、我々の生活は常に「照明」と共にある。暗ければ明るくして寝る時は暗くして...くらいに考えている人も多いだろうが、実は照明は健康に大きくかかわっている。

   番組では、照明と睡眠や視力、さらにうつ症状とのかかわりについて解説した。

白い照明より暖色系の照明を

   さとみさん(仮名)は、中学1年生と小学4年生の娘が、夜寝るのが遅く翌朝寝起きが悪いのを改善したいと思っている。

   ある夜、娘二人は22時過ぎに寝室へ。そのまま寝るかと思いきや、電気をつけたまま布団でゴロゴロしながら漫画を読み始めた。毎晩眠くなるまで読んでいるという。

   結局姉は22時35分、妹は22時50分に就寝。さとみさんが23時頃に二人が寝たのを確認して電気を消した。

   翌朝は6時半に目覚ましが鳴ったが自分たちでは起きず、結局さとみさんが起こしていた。

   睡眠と照明の関係を研究している江戸川大学の福田一彦教授は、二人の寝付きの悪さは照明に問題があると指摘した。

   福田教授「睡眠にかかわっているというと寝室の照明だと思われるだろうが、寝室に行った時には手遅れ。寝る1~2時間前に過ごす部屋の照明をどうするかが非常に重要」

   さとみさんたちが過ごしていたリビングの明るさは568ルクス、娘二人の寝室の明るさは447ルクスで、寝るのに適した明るさではなかった。

   スムーズに眠るには、寝る1~2時間前に過ごす部屋を50ルクス程度の明るさにし、寝室も暗くする。ダウンライトや間接照明、調光機能で部屋の明るさを落とすとよい。

   照明の色は白ではなく暖色系を選ぶべし。白い照明に多く含まれる「ブルーライト」は、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑えるが、暖色系の照明は3~4割ブルーライトが少ない。

   さとみさん宅では、夕食後の20時にはリビングの照明を落とした。すると21時半には妹が、その後すぐ姉も寝室へ向かった。

   寝る前に読書する習慣は変わらずだが、姉は21時47分、妹は21時56分に眠りについた。

   姉「寝やすくなった」妹「すぐに眠たくなった」

   それから3週間ほど、平均して30分寝るのが早くなり、朝さとみさんが起こしに行かなくても起きる日も出てきたという。

「読書灯でスマホ」は疲れ目の原因に

   寝る前に読書の習慣があると、部屋を暗くすると目が悪くなるのでは...と思ってしまうが、眼科専門医の坪田一男氏によると、暗い場所で読書しても視力が低下するエビデンスはないという。

   近視は、外で遊ぶ時間が短く、太陽光に含まれる「バイオレットライト」を十分に浴びていないのが一因だ。すでに近視の子供も、さらに悪化するのを防ぐために外で遊ぶのは効果的だ。

   ただし、暗い部屋でテレビやスマートフォンなどの明るい画面を見るのは疲れ目につながる。見る対象の明るさと周囲の明るさの差が大きすぎるためだ。

   夜にテレビを見る場合は、テレビの設定画面で「バックライト」を最も暗くし、部屋の照明はテレビ画面より少し暗くすると目が疲れにくい。

   スマートフォンを使うなら、間接照明などで部屋を少し明るくする。読書灯で画面を照らすと、光が反射してかえって疲れ目の原因となる。

   寝室の明るさは、うつ症状とも関係している。ほぼ真っ暗な部屋とろうそく1本の明かり程度の明るさの部屋で寝た人を比較すると、明るい方の部屋で寝た人の方がうつ症状が出る割合が1.9倍になったという研究結果がある。寝る時にも明るいため体内時計が乱れ、睡眠の質が低下してうつにつながったと考えられる。

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