動物実験では「最終段階」
今日では、臓器がマウスに比べてヒトに近いブタを使った実験が進んでいる。生まれつき、ある遺伝子が存在しないため免疫に問題があるブタを、ゲノム編集で治してしまう。具体的には、骨髄細胞を取り出して「悪い遺伝子」を編集により正常なものにし、体に戻す。骨髄移植と同じ要領だ。
がんの場合、少しでもがん細胞が残っているとまた増殖してしまうので、もう少し研究を深めなければならない。ただし動物実験におけるゲノム編集は、ヒトに応用する前の「最終段階」と言ってよさそうだ。「ミニキャス9」については半年で、さらに固形がん治療への応用は5年以内に、それぞれ実用化が期待されている。