服選びに緊張してしまう
他人と話す時緊張するという遠藤さん(仮名)は、一人でのショッピングにチャレンジすると決意した。
事前に、8年の付き合いになる臨床心理士の角田圭子さんと、「お店に入る」「店員に試着したいと話しかける」など、ショッピングの際の行動がどの程度緊張するかを書き出して確認。話せなくなった時に店員に見せるため、「状況によって声が出づらいです」と書かれたカードを携帯すると決めた。
角田さん「今できることから少しずつ広げていけば、自信を持って不安を減らして、自分の本当の力を出すのにつながっていくと思います」
チャレンジ当日、難なく店に入り、声をかけてきた店員にも笑顔で会釈できた。しかしそこから店内をうろつくだけで、30分経ったところで番組スタッフに近付いてきた。
「欲しいものがない?」と聞くと首を横に振り、「疲れてきちゃった?」にはうなずいたので、少し休憩することに。買う服を決めるのにとても緊張してしまったのだ。
服選びだけは急きょ母が付き添って手伝い、欲しいものが決まったら再び一人に。店員に近付くと「ご試着されますか?」と聞かれ、自然と試着室に入れた。
「ほかに何かご用意しますか?」との問いには「大丈夫です」と笑顔で返し、無事トップスとスカートを購入できた。
遠藤さん「前よりお店との間に壁がなくなった感じがして、入りやすくなりました」
高木氏「一見何事もなくやっているように見えるが、何ができそうかを丁寧に話し合って、ここまではできる、これはできないかもしれないというギリギリのところを見極めて、その一歩先に挑戦している。大事なのは、本人が『これならできそう』と自分自身で考えること。そして専門家の力を借りるのも重要」