サンボ山口「日本語ロック全体の喪失」 THE FOOLS伊藤耕さんの死、悼む声広がる

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   ロックバンド「THE FOOLS」のボーカルで活躍し、日本のパンク・ロックの草分けとして知られるミュージシャン・伊藤耕さんが2017年10月16日、服役中の北海道・月形刑務所で亡くなった。同バンドの公式SNSが17日、発表した。

   伊藤さんは、2015年秋から服役中だった。「日本語ロック全体の喪失」などと、音楽関係者からは惜しむ声が相次いだ。

「出所が40日後だったのに残念です」

   「THE FOOLS」の公式フェイスブックは2017年10月17日、

「フールズ誠二です。悲しいお知らせですんません。伊藤耕は昨夜、服役中の月形刑務所内で亡くなりました。現在、検死結果の報告待ちです。詳細等、また判明次第、報告させてもらいます」

と伊藤さんの死去を報告し、「出所が40日後だったのに残念です」と知らせた。メンバーの福島誠二さんが投稿したものとみられる。

   「THE FOOLS」は1980年結成。初期メンバーは伊藤さんの他、元「村八分」の青木真一さん(2014年死去)ら。過去に幾度ものメンバー変更を重ねており、2017年現在までの参加メンバーは総勢18人にのぼる。

   伊藤さんは存在感あふれるライブパフォーマンスで1990年代を中心に活躍し、日本のパンク・ロックの草分けとして知られる。一方で複数回にわたる逮捕を繰り返し、2015年秋から服役中だった。

   同バンドはその間、メンバーの闘病、死去にも見舞われながらも、活動し続けていた。2016年5月、20年ぶりのフルアルバム「REBEL MUSIC」をリリース。キューバ音楽の映画「Cu-Bop」で知られる写真家・高橋慎一氏が手がけた、同バンドのドキュメンタリー映画の公開も控えており、公式ツイッターは17年1月24日、「10月公開予定で、同時に本も出版されます!」と宣伝していた。

高橋氏「伊藤耕について考える時間が欲しい」

   伊藤さんの訃報が公式SNSから広まると、パンク・ロックバンド「サンボマスター」のボーカル・山口隆さんは10月18日、ツイッターで

「伊藤耕さんの自由な空気がたまらなく好きだった。THE FOOLSは最高だし、ブルースビンボーズ(編注:伊藤さんが所属した他のバンド)の素晴らしさは僕を随分と救ってくれた。この喪失は僕だけじゃなく日本語ロック全体の喪失だと思ってます。伊藤耕さんあなたこそロックンローラーでした」

と別れを惜しんだ。

   ネット上ではその他、往年のロック・ファンから

「伊藤耕さん亡くなったのか...。いい歌をたくさん残してくれましたね」
「つきあいが深かったのは90年代前半頃までだったけど、伊藤耕やフールズのエピソードや話はいくらでもある...が、しばらくは無理。まだ現実として受けとめられない」
「ショックとか悲しみとかじゃなく、全く実感できない。伊藤耕は、不死身だと思ってたし、あのまんま画期的ロックン・ロールじじいになってくんだと思い込んでた」

と悲しみの声が相次いでいる。

   高橋慎一氏も18日、ツイッターで「伊藤耕について少し考える時間が欲しいです」と故人をしのび、「僕が制作しているドキュメンタリー映画に関しては、今は何も言えません」とした。

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