足りない細菌を補充する方法はある...?
世界保健機構(WHO)は2015年に公式声明で「帝王切開は母体や胎児を救うために実施されるべきで、実施率は15%を超えないことを推奨する」としているが、欧米では意図的に帝王切開を希望する女性も少なくないため30%台に達している。
ベッロ博士は「世界の多くの地域でより帝王切開が実施される可能性が高く、乳児の将来の肥満リスクに本当に影響するのか人でも早期に確認する必要がある」と危機感を示している。
生まれたばかりの新生児に母親の持っている腸内細菌を与えるため、皮膚に膣液を擦りつける「膣播種」と呼ばれる行為が一部では行われているが、ベッロ博士は失われた細菌のいくつかを補充する必要は認めつつ、
「細菌の補充は生物学的・医学的根拠に則った技術を使用すべきで、根拠が不明な技術を用いるべきではない」
と否定的な見解を述べている。
ちなみに2017年8月には膣播種が流行しているデンマークの産科婦人学会も「(膣播種には)デメリットを上回るメリットがなく実施すべきではない」と勧告。肌の触れ合いでも細菌が遷移するとして、母子接触の時間を十分確保するよう呼びかけていた。