「定期接種」と「任意接種」の違いとは
スケジュールが立て込んでいて負担に感じている親も少なくないだろう。
齋藤氏「このスケジュールには理由がある。例えば4種混合(百日ぜき・ポリオ・ジフテリア・破傷風の予防)の接種が生後3か月から始まるが、百日ぜきは生後早期にかかりやすく、非常に重篤になり、亡くなる子どももいる。ワクチンを接種していれば予防できる病気なので、できるだけ早く受ける必要がある。それぞれの病気には起こりやすい時期があるので、それに合わせて予防できるよう組まれている」
公費の定期接種と、自費負担の任意接種との違いは何なのか。
齋藤氏「予防接種法で定められているのが定期接種で、定められていないのが任意接種。法律上の違いだけで、重要性に全く差はない。両方ともしっかり接種してほしい」
重要なら、なぜすべて定期接種とならないのか。
堀氏「小児科医は国に定期接種化の要望を出している。専門の先生たちは頑張っている」
今任意の予防接種が、数年後には定期になる可能性もある。また、任意のものも一部助成や無料化している地域もある。住んでいる自治体に確認してみよう。
予防接種は体調がいい時に受けるのが原則だが、せきや鼻水が出ていても、平熱で普段通りなら受けられる場合がほとんどだ。体調や副反応について心配があれば、接種前に医師とよく相談して。親の不安が解消されてリラックスすれば、子どもも安心して受けられる。接種直後は15~30分病院で様子を見て、その後は遊び、散歩、入浴など、普段通りの生活でOKだ。
接種後、いつもと様子が違うかもと感じたら、普段と比較するため、何時に寝た、何時にミルクを飲んだなど記録しておくとよい。
日本小児科学会のサイトには、予防接種の推奨スケジュールや、受けそびれた時のためのキャッチアップスケジュールなどが公開されている。ネット上には、予防接種について様々な情報があふれているが、信頼できるものを参考にしよう。