衝撃!飲むと赤くなる人、膀胱がんが7割増 食道・咽頭がんも危険だから飲まないで!

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発がん物質アセトアルデヒドを分解できない体質

   これはいったいどういうことなのか。なぜ、酒を飲むと赤くなる人が膀胱がんになりやすいのか。

   顔が赤くなるのを「フラッシュ反応」といい、アルコールを分解する酵素の働きが生まれつき弱い人に起こる。このタイプの人は、欧米人には少ないが、日本人には遺伝的に弱い人が約40~45%もいる。アルコールは体内で有害物質のアセトアルデヒドに変わるが、顔が赤くなる人は分解する酵素の働きが弱いためアセトアルデヒドが残ってしまう。このアセトアルデヒドが非常に強い発がん性物質なのだ。建築資材のシックハウス症候群が問題になっているが、アセトアルデヒドの粉末ががんを発症させるからだ。

   研究チームは発表資料の中でこう説明している。

「今回の研究で、アセトアルデヒドが膀胱がんを発症させるリスク要因である可能性が出てきました。飲酒で顔が赤くなる人は、注意する必要があります」

   しかし、顔が赤くなる人でも酒を大量に飲む人は、逆に発症リスクが減ったことはどういう理由なのか。研究チームはこんな説明をしている。

「飲酒で顔が赤くなるという自覚症状を持った人の中には、必ずしも遺伝的にアセトアルデヒドの分解能力が弱くない人も多数いることが別の研究でわかっています。だから、酒を飲むと赤くなるとアンケートに回答した大量飲酒者の中には、遺伝的にはアセトアルデヒドの分解能力が高い人も混じっており、アセトアルデヒドの膀胱がんへの影響を弱めたと考えられます。したがって、大量飲酒が膀胱がんのリスクを弱めたわけではありません。多量飲酒はほかのがんや心臓病のリスクを高めますので、控えるべきです」

   酒を飲むと顔が赤くなる人ががんを発症しやすい研究は他にもある。2016年2月、愛知県がんセンターのチームが、欧州の医学誌に「赤くなるタイプの人が、1日に日本酒2合以上の量を週に5日以上続けると、食道がんや咽頭がんになる確率が約20%になる」という研究を発表している。何と5人に1人の割合である。ちなみに、飲んでも赤くならない人が、同じ量を飲み続けてもがんになる確率は約3%しかない。赤くなる人の7分の1だ。

   いずれにしろ、顔が赤くなる体質の人は、酒席では、いつもがんの心配を頭の片隅に置いた方がよさそうだ。

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