アイドルグループ「AKB48」のCD585枚を山中に不法投棄したとして、ファンの会社員の男(32)が福岡県警に廃棄物処理法違反の疑いで2017年10月16日、福岡地検に書類送検された。
男は総選挙の投票券を抜いた上で投棄しており、ネット上では、大量買いにつながる投票システムにも問題はないのかと議論になっている。
シングル「願いごとの持ち腐れ」に投票券
福岡県警筑紫野署がJ-CASTニュースの17日の取材に答えたところでは、この男は、AKBの姉妹グループで福岡に拠点を持つ「HKT48」の冨吉明日香さん(20)のファンだった。
調べによると、男はコンサート会場で知り合った冨吉さんのファンとLINEのグループを作っており、男を含めたファン4人は、4人とは別の千葉県在住の男性から、大量に買ったシングルCDに関連して投票作業を手伝ってほしいと依頼を受けた。
4人は、シングルCD「願いごとの持ち腐れ」約1000枚(約100万円分)が入った段ボール箱20箱を郵送してもらい、6月9日22時ごろに福岡県那珂川町の公園に集合、CDから投票券を抜き取る作業をした。作業は、翌日1、2時ごろまでかかり、その後、4人がそれぞれ家に帰って、パソコンから投票券のシリアルナンバーを入力する作業をした。
書類送検された男は、段ボール箱のうち11箱約600枚分を預かったが、6月10日未明に自宅のある太宰府市内の山中に廃棄した。調べに対し、量が多くて処分に困ったと供述しているという。残りの9箱約400枚分については、もう1人のファンが持ち帰り、自分の車の中に置きっ放しにしてあった。
投票システムに問題があるのではとの声も
筑紫野署では、千葉県在住の男性は、投票目的でCDを買ったため、書類送検された男が返却することができなかったとみている。中古CDショップは、通常は同じCDなら1、2枚しか買い取らないのではないかとも話していた。
不法投棄については、6月12日朝に太宰府市内の山中を散歩していた住民が気づき、警察に通報した。段ボール箱には、千葉県在住の男性の名前や連絡先などが書かれており、そこから捨てた男が割り出された。
ニュースのコメント欄やネット掲示板では、総選挙の投票システムにも問題があるのではないかとの声が出ており、「こういうニュースを目にしてメンバーは心痛まないのかな?」との書き込みもあった。「投票券だけ売れよ。ゴミを増やすな」「どうせ同じ事するなら配信に限定すればいい」「シリアル入力は一人1回しかできないシステムにしたら」などと意見も次々に出ている。