酒造メーカー「月桂冠」(京都市)がユーチューブ上で公開中のCMが、見ていてイライラするなどと、ツイッター上で話題になっている。
調理中の木べらの使い方がおかしいというのだが、月桂冠では、J-CASTニュースの取材に対し、「特に意図した演出ではない」と説明している。
公式ユーチューブサイト上にアップ
フライパンで「麻婆厚揚げ」とみられる料理を炒めながら、モデルの千梨(ちり)さん扮する遠距離恋愛中の女性が歌を口ずさむ。木べらで、厚揚げの表面だけをつついており、しかもその向きが逆のようにも見えて......。
これは、2017年9月20日から月桂冠の公式ユーチューブサイト上にアップされているCM動画の冒頭部分だ。20年もロングセラーを続ける日本酒「月(つき)」に合う料理を15秒ほどで取り上げており、「『すき、つき、レシピ』キッチンおいしい編」とタイトルが付いている。
動画は、料理が苦手な彼に、女性が自撮りビデオで2人の好きな「月」に合う料理の作り方を教えるというストーリーで、女性は、「好きだよね~、月だよね~」と歌い、手前を向いて微笑んだ後、木べらの先を口に入れる。「おいしい」とつぶやいた後、そのまま木べらで調理を続けるという内容になっている。
これに対し、ツイッター上では、10月13日ごろから「木べらの使い方がイラつく」などと話題になり、様々な突っ込みが入っている。
「木べらの向きがまず逆‥」
「全く混ざってなくて笑いすぎてしまった」
「口付けたもんを洗わず使うなや」
「味見するなら菜箸で小皿にのせてから食べなさい」......
もっとも、「酒のCMだし酔ってるんじゃね?」「似たような使い方してたかも」などと理解を示す声もあった。
CMは続けるものの、「不快なら申し訳ない」
公式サイト上では、「すき、つき、レシピ」シリーズのCM動画がいくつかあるが、ツイッター上で話題になったためか、今回のCMだけが10月16日昼過ぎ現在で60万回以上の再生と突出している。
月桂冠の広報課は10月16日、木べらの逆側で厚揚げをつつくだけに見えるCMのシーンについて、「特に意図した演出ではありません」と、J-CASTニュース編集部の取材に説明した。口に入れた木べらで調理したことについては、「自分だけで食べ、大勢に振る舞うものではないです」とした。そのうえで、「見られる方が不快なら、申し訳ないと思っています」と話している。
本編の長いCMでは、女性が「麻婆厚揚げ」を炒めながら、日本酒をコップで飲むようなシーンもあるが、「お酒を飲んだか飲まないかは、今回のストーリーには入れていないです」としている。
今回のCMは、ウェブ限定のもので、期限付きではないといい、16日昼過ぎ現在で削除などは考えていないという。