妻が食事を作る家庭は、妻の肥満度が健康度に直結
これまで多くの糖尿病研究では、本人の生活習慣だけでなく、家族の関係も調べられている。しかし、片親が糖尿病だと発症リスクは約2倍に、両親とも糖尿病だと約5倍に高まり、遺伝的要因もあるなど、血のつながった家族の関係が中心だった。血がつながらない配偶者同士の関係の調査は今回が初めてだ。それにしてもこの結果は、どういうわけなのか。
研究を主導した同大公衆衛生学部のアダム・ハルマン博士はプレスリリースの中でこう語っている。
「配偶者の肥満が相手に与える影響が、男女間によって大きく違ってくるという研究は、私たちが初めてです。どうしてこういう結果になるのか、科学的な因果関係は説明できません。ただ、研究の参加者たちが、1990年代の終わりに全員50歳以上だったことを考慮する必要があります。その世代の人々は、現在よりも妻が食事を作る割合が高く、妻が家族全員の食生活に大きな影響を与えていました」
「妻が肥満であるということは、夫が糖尿病になりやすい不健康な食事をとっている可能性が高いということです。また、私たちの他の研究では、カップル同士は似た体形の相手を選ぶ傾向があることもわかっています。配偶者の体型を見ることによって、相手の糖尿病のリスクを予測し、適切な食生活指導を行なうことも必要になってくるでしょう。肥満の妻を持つ夫は、自分の肥満度をチェックするとともに、ぜひ糖尿病検査を受けるべきだと考えます」
現在でも奥さんに食事を作ってもらうことが多いアナタ、奥さんの体型の変化にも注意の目を向けた方がいいようだ。