加熱しても冷凍しても死滅しない菌がある
では、生肉でなければどうだろう。小西教授は、加熱しても毒素が消えない菌があるため、調理した食べ物を1度袋に入れたら、別の食品保存のための再利用はやめた方がよいとの見解を示した。
野菜も、絶対に安全とは言えない。東京都福祉保健局は、「その衛生状態によっては、食中毒の原因となることもあります」と注意喚起している。都が2009年7月~11年10月、大田市場内に流通する生で食べられる野菜237検体を調べたところ、全体の11%にあたる27検体から食中毒起因菌が検出された。感染するとおう吐や下痢を引き起こす「セレウス菌」が最も多く、大腸菌や黄色ブドウ球菌も見つかった。
こうした菌は、野菜の「水洗いで減らすことができる」というが、完全駆除は難しいだろう。野菜を保存したジッパー付ポリ袋でも、二度使いはリスクを伴うといえる。
さらに、サルモネラをはじめとする食中毒起因菌は、冷凍しても死滅しない。冷凍肉の保存に袋を用い、肉を調理しようと解凍した際に「冬眠状態」だった菌が目覚めて袋に付着する可能性も考えられる。
厚生労働省が公表している「食中毒統計資料」で、2016年の月別発生状況を見ると、件数が最も多かったのは12月の115件、次いで3月の112件となるが、10月も97件と決して少なくない。1度使ったジッパー付ポリ袋、「捨てるのはもったいない」と思っても、洗ってまた食べ物を保存するのは避けよう。