【バリバラ】(Eテレ)2017年10月8日放送 「ティーンズバリバラ ~発達障害の悩み~」
空気が読めない、言っていいことと悪いことの区別がつかない、知らず知らずのうちに相手を傷付けてしまう...などなど、発達障害のある人々は、人間関係で壁にぶつかるシーンも多い。
番組では、発達障害のある中高生8人が、友達との関係や恋愛の悩みをぶっちゃけた。
食事にこだわりすぎて完食に1時間半
自閉症スペクトラム障害のあるまゆさん(高3)は、思ったことをはっきり言って相手を傷付けてしまい、友達が作れず孤立しがちだ。
例えば、トイレの鏡の前でずっと髪の毛をいじっている人がいると「ちょっと邪魔やわー」と言ってしまう。髪を切った友達には「ショートも似合うけど、個人的にはロングが好き」と言い、場の空気を重くしてしまった。
友達ができづらい理由はもう一つ、「食事の仕方」だ。
まゆさんは食べ方に強いこだわりがある。まず一つの皿に入っている食材の数が同じになるように食べ、全体の量が均等に減るよう食べ進め、同時に食べ終わらないと気が済まない。
二つのことを同時にするのが苦手で、食べながら会話ができないという特性も。この日は一人前の定食を食べ終わるのに1時間28分かかった。
スタジオの中高生たちは「あ~!」「大変だね」などと笑いながらまゆさんのVTRを見ていたが、まゆさんは「笑ってくれたら嬉しいけど、友達がスマホをいじりだしたり、静かになったりすると申し訳ないと思ってしまう」という。発達障害のある人と交流する上で、特性に遠慮なく突っ込むのも、場合によってはアリということか。
イレギュラー続きな恋愛は最も苦手な分野
広汎性発達障害・ADHDのあるたかとらくん(中2)は、現在初恋の真っただ中だ。優しく、可愛く、話しやすい同じ部活の先輩に告白すると決意はしたが、なかなか踏み出せずにいる。
そんなたかとらくんに、発達障害のある大人たちからアドバイスが。
一つ目は「事前にセリフを決めておくべし」。ADHDには思ったことをその場で口走ってしまう、予期していないことをやってしまうなどの特性があり、告白で余計な発言をしないための予防策だ。
次に「鏡の前で告白の練習をすべし」。真剣な顔をしなければいけない場面でニヤニヤしたりゲラゲラ笑い出してしまったりすることがあるので、自分を客観視するのが大切という。
アドバイスで自信を付けたたかとらくんは、「あなたのことずっと好きでした。よかったら付き合ってください」というセリフを考え、先輩を誘い出すところから鏡の前で練習。早口になっている、相手の顔を見ていないといった部分を直していく。
決行当日、いよいよ部活帰りの先輩に想いを伝えようとしたが、「今5分だけでいいんで時間くれませんか?」と話しかけるも、「何?今話して」「言って早く!」と断られ、「何でやねん!」と逆ギレしてしまった。予想外の反応に全く対応できず、結局失敗に終わってしまった。
たかとらくん「言ってよかったけど、しゃべりにくくなったので後悔がある」
恋愛で悩む発達障害の人は多い。広汎性発達障害・ADHD・LD(学習障害)のあるせんさん(高3)は、「そもそも恋愛の目的がわからない」と打ち明ける。
「この時間は無理」と言った時間に3日続けて告白してきた人がいて、断り続けるのも辛くなり、ついに怒りをぶちまけた。
「いい加減にしてよ!何が目的なん!?私と時間の共有がしたいのか、彼女がいるっていう状態がほしいのか、セックスがしたいのかどれよ!」
相手は泣いてしまったが、「泣きたいのはこっちや!」とたたみかけてしまったという。
「先輩」として出演した、広汎性発達障害・ADHD・LDの笹森理絵さんは以下の言葉を贈った。
「恋愛ってイレギュラーの連続なんですよ。私たちにとって一番苦手ではある。大人になると慣れる部分も出て、それを楽しいと思う気持ちになれる。楽しみにしていてほしい」