編集部でのプッシュは大きくなかった
冨士川 僕は「絶対イケる!めちゃめちゃ面白い」とネームを「マガポケ」のチーフに見せたんですが、その時の第一声は「うん、まあいいんじゃない」。あとは、「連載開始と、単行本の発売のタイミングを本家『金田一』と同じタイミングにしてくれ」だけ。この作品は、全然期待されてませんでしたね。
船津 予告なども特になく始まったので「これ気づいてもらえるのか...?」って不安はありました。
――ところが連載がスタートすると、あっという間に話題になりましたね。
船津 めちゃめちゃ早かったです。マガポケに載ったその日に大きな反響がありましたからね。
7月5日、一人のツイッターユーザーが「マガジンポケットで連載始まった金田一の犯人視点のスピンオフ、面白すぎるのでみんな読んでほしい」とつぶやいた。この投稿はたちまち拡散し、10月時点でリツイートは2万5000回に達する。
船津 今でも覚えてるんですけど、担当からLINEが来たんです。そのツイートのスクショ付きで「ウケてるぞ」って。めちゃくちゃうれしくて、叫び出したいくらいでした。
――ははは。こうしたSNSでの話題の広がりは、あらかじめ計算していましたか?
冨士川 全然していませんでした。11月になってこの作品の単行本が出てから、本家と書店さんで並売してもらって「なんだこれ?!」と注目してもらうイメージだったんですが......。ここまで大きな反応があるとは予想だにしてませんでした。