「あおり運転」危険ドライバー 対処はどうしたらいいか

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プロのトラック運転手でも「立腹・イライラ」が最多

   運転中のドライバーの心理に関して、国際交通安全学会(IATSS)が2009年3月、「ドライバーの感情特性と運転行動への影響」と題した興味深い報告書を発表している。

   IATSSでは、主に車両運搬用大型トレーラーを業務として運転する男性の職業運転手18人(年齢は当時41~52 歳)を対象に、各自60分間の聞き取り調査を実施。「感情ストレスの分類とその原因」と「対処方法」を分析した。

   まず運転中の感情ストレスを分類したところ、最も多かったのが「立腹・イライラ」で全体の30.6%を占めた。具体例として「あおられることは頻繁。確かに腹は立つ」「車間距離をあけて走っているところへ、いきなり曲がってきたり、パッっと割り込んでくる車があると、カっとなる」などとある。実際に「立腹・イライラ」の原因には「他車の行動」が多く指摘されていた。大型トラックのためスピードがそれほど出ない、また業務上安全走行に最大限配慮しているなかで「合図なしに割り込んでくる車両、突然減速する車両、優先関係を無視する車両など、自己中心的な運転をするドライバーに対しては、怒りやイライラ感を知覚する傾向がある」という。

   次に対処方法だが、運転手が若いころの経験談として「抜かれたら抜き返す」「車を止めて相手と口論」という回答もあった。ただし年齢や経験を重ねるにつれて、相手を先に行かせたり、自分の感情をコントロールしたりして自制するケースが増えている。

   車を運転中にイライラする、「ハンドルを握った瞬間から気が荒くなったり、他の車に文句を言ったり」する人の心理について、「日本アンガーマネジメント協会」代表理事の安藤俊介氏が2016年4月11日付の朝日新聞デジタルで論じている。

   理由のひとつは「車が自分の思い通りに動く『鎧(よろい)』のようなものだから」という。自分が守られている空間にいると感じ、気が大きくなる、思い通りになると思っているからこそ、思い通りにならなかった時に怒りを覚える、というのだ。

   もうひとつは「匿名性」。ナンバーは付いていても誰の車かまでは調べないと分からない。しかも車内はプライベート空間なので、本性を表しやすい。

   他の車に割り込まれたりしても、とにかく冷静さを保つことが先決だ。怒りにまかせてクラクションを鳴らしたりして事を荒立てては、事故を招く可能性が高まるだけ。理不尽だとは思っても、下手に「お付き合い」しないことで自分を守るしかない。

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