咬まれていないのに「マダニ感染症」 ペットのイヌからうつった可能性

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   徳島県は2017年10月10日、同県で在住の40歳男性がペットのイヌから「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染し、発症した事例が確認されたと発表した。

   これまではマダニに咬まれることで発症するとされていたが、7月には野良猫に咬まれSFTSを発症したと疑われる女性が死亡する事例が発生。今回は飼育環境下にある動物から人への感染で、国内初になるという。

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体調不良のイヌに触れていた

   SFTSは2011年に中国で発見された感染症で、2013年以降、日本国内でも西日本を中心に、主に高齢者での感染例が確認されている。

   感染すると1~2週間の潜伏期間を経て発熱や下痢、嘔吐、腹痛、筋肉痛といった症状が表れ、重症化すると死亡する可能性もある。

   徳島県が公式サイト上で公表している今回の感染事例の報告書によると、まず6月初旬に男性が飼っているイヌが発熱や下痢などの症状で動物病院を受診した。

   診察の結果SFTSが疑われ、専門機関で検査を行うことになったが、検査結果が明らかになる前に男性も発熱や下痢といった症状を訴え医療機関を受診。しかし、男性はSFTSと診断されず、点滴の投与で体調も回復した。その後、飼い犬はSFTSであることが判明したが、男性には検査は行われなかった。

   8月に入り、SFTSの感染源を専門機関が調査していたところ、男性も体調不良になっていたことを把握。9月には男性から血液を採取し、国立感染症研究所で分析を行った結果、SFTSに感染したことを示す抗体が検出され、感染が確認されたという。

   男性にはマダニに咬まれた跡はなく、イヌがSFTSを発症していた時期に直接触れながら看病をしていたことがわかっており、この際に唾液などが体内に入りペットから人へと感染したと考えられる。なお、現在はイヌ、男性ともに回復しているという。

   徳島県はペットから人への感染は極めてまれな事例とし、発症していないペットから感染する恐れはないため過剰に心配しないよう呼びかけ、ペットのマダニ対策を徹底する、体調不良のペットへの過度な接触は避け速やかに動物病院を受診する、などの注意点を挙げている。

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