息子からプレゼントとして貰った「お守り」を紛失した父親を救ったのは、6万人以上に及ぶツイッターユーザーの「善意」だった。
この父親が落としたお守りをたまたま見つけた女性タレントが、ツイッター上でその旨を報告。このツイートを見た多くのユーザーが、ネット上で「拡散」を進めたことで、落とし主の家族の元に情報が届いたのだ。
「おとうさんだいすき」の刺繍入り
お守りを見つけたのは、「さいたま観光大使」として活躍する女優でタレントの村田綾さん(29)。2017年10月3日深夜、東京から埼玉方面に向かう電車に乗っていた彼女が、車内の床に落ちていたお守りを見つけた。
そこで村田さんは翌4日未明のツイッターで、「おとうさんだいすき ××」(伏字は子供の名前、以下同)というメッセージと、父親を描いたとみられる似顔絵が刺繍されたお守りの写真を公開。あわせて、
「電車の中で見つけた。汚れた分だけ大事にされてて...(略)お父さん...××くん...気付きますように」
と呼びかけた。見つけたお守りはすぐに車掌に手渡し、大宮駅に運ばれることになったとの情報も伝えていた。
こうした投稿には、多くのツイッターユーザーが反応。「可愛いお守り、持ち主に帰りますように...」「これはお父さんに届いてほしい!」とのコメントと共に、投稿の「拡散」を進めたのだ。
村田さんの投稿は6万4000回以上のリツイート、5万3000件の「いいね」を集めたほか、複数のまとめサイトでもツイートが紹介され、数多くのユーザーの目に留まることになった。
そして、村田さんのつぶやきから5日が経った10月9日、ついに事態が動いた。お守りを落とした男性の「妻」がツイッターで、「大宮駅まで(お守りを)引き取りに行き、無事に我が家に帰って来ました」と報告したのだ。
「信じられなくて目をこすった」
この妻の投稿によれば、村田さんのツイートを目にしたことで、夫が落としたお守りがどこにあるか知った。投稿でお守りの写真が紹介されていることに気付いた時は、「信じられなくて目をこすった」という。
また、妻はツイッターで、戻ってきたお守りを掲げて笑顔を浮かべる夫と息子のツーショット写真も公開。あわせて、
「これは、5年前の父の日に、息子が描いて作ったお守りです。拡散してくださった皆様方、本当にありがとうございました」
と投稿。続けて、村田さんに直接リプライ(返信)する形で、「綾さん、本当に本当に どうもありがとうございました」と改めて感謝の言葉をつづっていた。
こうした報告を受けて、村田さんも10月9日のツイートで、
「持ち主が見つかったようです。大勢の皆様の拡散のおかげ。温かい方ばかりで感激です。本当に、ありがとうございました」
と投稿を「拡散」したユーザーたちに感謝していた。
J-CASTニュースが11日、今回の件について村田さんに電話で感想を聞くと、「本当に、奇跡のような出来事でしたよね...!」と感慨深げに振り返った。その上で、
「見つけたお守りはすごく使い込まれていて、お父さんの思い出が詰まっているような気がしたので、何とか本人の手に戻って欲しいと思っていました。皆さんに想像以上に拡散をして頂いて、本当に驚きましたし、嬉しかったですね」
と話していた。