東武動物公園(埼玉県)は2017年10月11日、フンボルトペンギンのグレープ君(21歳)の体調に変化が見られたとして、来園客への展示を同日から中止したことをツイッターで発表した。
グレープ君といえば、人気アニメ「けものフレンズ」(けもフレ)のキャラクターに「恋をしているように見える」として注目を集めてきた。インターネット上には、同作のファンを中心にグレープ君を心配する声が相次いでいる。
「フルル」のパネルに夢中?
東武動物公園は17年4月、「けもフレ」とのコラボ企画の一環として、ペンギンを擬人化したキャラクター「フルル」のパネルをペンギン舎に設置した。
すると、グレープ君の様子に変化が現れた。パネルの方向をじっと見続けたり、近くから一向に離れようとしなかったりなど、まるで「フルル(のパネル)に恋をしている」ような仕草を見せ始めたのだ。
こうしたグレープ君と「フルル」の関係には、アニメファンだけでなく東武動物公園も注目。園の公式ツイッターで定期的にグレープ君の動向を報告しているほか、フルル役を演じる声優を招いたトークイベントも5月に開催した。
その後、東武動物公園と「けもフレ」のコラボは9月3日で終了したが、園側はペンギン舎のパネル展示の継続を決定。その理由について、園の広報担当者は当時(9月4日)の取材に、
「ファンの皆様から『パネルを残して欲しい』との強い要望を受けていたことが大きいです」
などと話していた。実際、コラボ最終日には、「見納め」を心配した大量のファンがペンギン舎に駆け付けたという。
このように、多くの「けもフレ」ファンから愛されていたグレープ君。それだけに、今回の「展示中止」発表を受けてツイッターやネット掲示板には、
「グレープ君お大事に...早く元気になって」
「心配だ...もう一度グレープ君の元気な姿が見られるように祈っています」
「元気になるのを祈ってます。今はゆっくりさせてあげてください。待ってるよグレープ君」
といった心配の声が相次いでいる。
東武動物公園「大事を取って静養させています」
実際のところ、グレープ君の様子はどうなのか。J-CASTニュースが10月12日、東武動物公園の広報担当者に尋ねると、
「とくに病気というわけではありませんが、もうグレープ君も高齢ということもあり、大事を取って静養させています。今は、飼育員の目が届きやすいペンギン舎の裏の部屋でゆっくりしていますよ」
と話す。具体的な状態については「エサは変わらず食べているんですが、体重の減少が目立っていました」としていた。
また、東武動物公園は今回のグレープ君の移動に伴って、「フルル」のパネルも同時に動かすことをアナウンスしていた。こうした対応を取った理由について担当者は、
「『フルル』のパネル設置以降、グレープ君がその近くにいることが多かったことは事実です。なので、パネルも一緒に移動させて、グレープ君を見守ってもらうことにしました」
と説明した。
なお、担当者によれば、園を訪れた客からもグレープ君の体調を心配する声が職員に寄せられている。今後については、グレープ君の体調をみながら展示の再開を検討していく、としていた。